タイトル写真は、今後日本に導入されるであろう新型アウディ Q3。
フォルクスワーゲングループのプレミアムブランド、アウディ
現在のアウディの成り立ちは「フォーリングス」と呼ばれるエンブレムにも示されるように、ドイツの自動車メーカー「アウディ」「DKW(デーカーヴェー)」「ホルヒ」「ヴァンダラー」の4社が、1932年に合同でアウトウニオンを結成したときから始まる。
元はといえば1909年にアウグスト・ホルヒが自動車メーカーを設立し、翌1910年に「アウディ」という社名を付けたのが名前の由来だ。現在の本社はバイエルン州インゴルシュタットにある。ミュンヘンからクルマでおよそ1時間ほど北に行った場所。
アウディの株式の99%以上をフォルクスワーゲンが持っているので、いまは完全にフォルクスワーゲングループの一員だ。ちなみにフォルクスワーゲンの株式は、実質的にポルシェ家とピエヒ家で50%超を所有する。そしてフォルクスワーゲンの本社のあるニーダーザクセン州が20%を所有する。
フォルクスワーゲングループの規模はとても大きい。アウディの他にもブランドはいくつもあり、シュコダ(チェコ)やセアト(スペイン)は価格の安い市場を担当する。ベントレー(イギリス)は高級乗用車ブランドで、ブガッティ(フランス)は超高級スポーツカーブランドだ。
ランボルギーニ(イタリア)とオートバイメーカーのドゥカティ(イタリア)はアウディグループであり、広い意味ではフォルクスワーゲングループといえる。ほかにも、商用車メーカーのスカニア(スウェーデン)やマン(ドイツ)なども含まれる。
効率的な生産方式や、開発のためにはグループによる協力が効果的だ。大きさが異なるクルマを効率よく作るためのソリューションである「MQB」はその代表だろう。またフォルクスワーゲンはゴルフ、アウディはA3というように同じセグメントのモデルで共通部品を使いながら、うまく作り分ける。
その中にあっても「技術による先進」を提唱するアウディは独自の個性と高級感を押し出している。上級モデルでは縦置きエンジンを採用しているが、これもフォルクスワーゲンにはない手法だ。フルタイム4WDシステムのクワトロもアウディ独自の機構を使っている。