バブルの残り香を感じさせるモデルたち
平成3年1月、イラク軍のクウェート侵攻で湾岸戦争が勃発した。“若貴”の活躍などで大相撲がブームになる中、千代の富士が引退し国民栄誉賞を受賞した。また、ル・マン24時間レースでマツダ787Bが優勝したのもこの年だ。バブル経済は崩壊した時期ではあったが、国産乗用車のニューモデルは37台(自工会発表資料)を数えた。
平成3年の主な出来事
・新宿に新都庁舎落成(48階建、高さ243m)
・雲仙普賢岳で大火砕流発生
・東京23区の電話番号が8桁に
・東京芝浦にジュリアナ東京オープン
・四大証券会社が巨大損失補填が続発
・World Wide Webサイトが初開設に
・世界陸上でカール・ルイスが9秒86の世界新
・音楽 ラブストーリーは突然に
・TV 101回目のプロポーズ
・流行語 バツイチ
日産 フィガロ

Be-1、パオに続く日産パイクシリーズ第三弾の限定車。レトロ調のコンバーチブルで、デザインの完成度は非常に高く人気となった。エンジンは1Lターボで最高出力は76psだった。
トヨタ ソアラ

3代目となるソアラは初代、2代目の正統派2ドアクーペと言えるスタイリングからガラッとイメージを変えた。北米ではレクサス開業に合わせてレクサスSCとして販売された。
ホンダ ビート

軽自動車の本格的ミッドシップスポーツとして登場して、瞬く間に人気モデルとなった。搭載されたE07Aエンジンは自然吸気ながら最高出力64psを発揮する高回転型だった。
トヨタ カローラレビン

7代目カローラシリーズにももちろんレビンはラインナップ。“AE101型”で“トイチのレビン”と呼ばれてファンに愛された。搭載する4A-GEエンジンは1気筒あたり5バルブ化されていた。
日産 シーマ

初代モデルはセドリック/グロリア シーマだったが、この2代目は単に“シーマ”となった。全長5mに迫る堂々としたボディに、エンジンは4.1LのV8と3LのV6ターボが搭載された。
ホンダ シビック

5代目となるシビックは通称“スポーツシビック”。VTECのB16A型エンジンの最高出力は従来型の160psから170psへと上がった。この世代からセダンには“フェリオ”のサブネームが付いた。
スバル アルシオーネSVX

ジウジアーロによる斬新なエクステリアデザインが大きな特徴。エンジンはもちろんスバルお得意の水平対向3.3L。ライバルは前年デビューのユーノスコスモや同年のソアラ。
トヨタ クラウン

9代目となるS140クラウン。この世代で“ロイヤルツーリング”というグレードがラインナップに加わり、さらに上級モデルとして“クラウン マジェスタ”が登場している。
トヨタ アリスト

クラウン マジェスタの姉妹車として登場した初代アリストはデザインはスポーティな仕立てで、動力性能にも目を見張るものがあった。93年からは北米でレクサスGS300としても販売された。
マツダ アンフィニRX-7

1978年の初代サバンナRX-7から13年にして登場したのが3代目となるアンフィニRX-7(FD3S型)だ。2ローターの13B型ロータリーエンジンの最高出力は当初255psだった。