スマホやデジカメ、ワイヤレスイヤホンなどなど、使おうと思ったときに電力不足で使えない「バッテリー切れ」。こまめな充電・電池交換で回避できるのだが、最近増えてきたクルマのスマートキーでも同じような事態に陥る可能性もある。ここでは、そんな緊急事態の対処法を紹介していこう。

スマートキーの電池が切れても、エンジンを始動できる

ほんの数年前まで主流だったリモコンキー…ボタンによる遠隔操作でクルマのドアを施錠/解錠し、差し込み式の物理キー(メカニカルキー)でエンジンを始動させるというもの。ところが、近年の主流は「スマートキー」だ。

リモコンキーと違って物理キーが露出していないため、その名のとおりスマートな見た目(意味合いは“賢い”の方)。しかも、鍵をポケットに入れたままクルマに近づいて一部分にタッチすれば、ドアの解錠/施錠もできるため操作が楽。一度このイージーさを体験してしまうと、もう物理キーには戻りたくなくなってしまう。

リアバンパー下部をつま先で触れれば電動リアゲートを開ける機能を追加し、両手のふさがった状態での操作性も高めてるモデルもある。さらに、鍵(正確には鍵の付属品)を使ってクルマそのものを動かしてしまうという強者まで誕生しているから驚きである。

画像: 操作項目は限定されるが、遠隔操作で駐車できる機能を備えるBMWのリモート・コントロール・パーキング。

操作項目は限定されるが、遠隔操作で駐車できる機能を備えるBMWのリモート・コントロール・パーキング。

さてそんなスマートキーは最近軽自動車でも標準装備とするモデルもある。採用車種が増える一方でトラブルも増加。そのひとつが、ドアを解錠できない・エンジンを始動させられないというもので、車内に入ることもできず途方に暮れてしまうこともあるだろう。

実はこの症状、原因のほとんどはスマートキーの電池残量不足だ。すぐに電池交換できれば万事解決だが、外出先ではこうはいかない。そんなとき、まずは落ち着いてスマートキーに内蔵されている物理キーを取り出して、鍵穴からドアを解錠しよう。

このとき注意しなくてはならないのは、盗難警報装置の作動だ。車種によっては、解錠してドアを開けた瞬間にホーンが10〜30秒ほど鳴り響くこともある。しかしこれは正常な動作であり、その先の操作やエンジン始動によって止めることもできるので、急がず慌てず作業を進めよう。

画像: スマートキーのほぼすべてに物理キー(エマージェンシーキー)が内蔵されている。その存在を確認しておこう。

スマートキーのほぼすべてに物理キー(エマージェンシーキー)が内蔵されている。その存在を確認しておこう。

画像: スマートキー内蔵の物理キーで解錠。この際、盗難防止警報が作動することもある。

スマートキー内蔵の物理キーで解錠。この際、盗難防止警報が作動することもある。

運転席に座ったら、シフトが「P(パーキング)」になっていること、パーキングブレーキが作動していることを確認し、ブレーキペダルを踏む。この状態で、エンジンスタートボタンにスマートキーで触れるとクルマがキーを認識→エンジンスタートボタンを押すとエンジンがかかるのだ。

概ね上記の方法で、ドア解錠からエンジン始動までできるようだ。実際にこの方法を元に、電池を抜いたスマートキーでカローラフィールダーのエンジンをかけることができた。しかし、細かな操作方法はメーカー/車種によって異なることもある。まずは取扱説明書を確認することをオススメする。

ちなみにスマートキーの電池残量不足は、車内に鍵を残したまま施錠するインロックの危険性も高めてしまう。そんな事態に陥る前に、1年ごとの交換をしてはどうだろうか。

画像: スマートキーをエンジンスタートボタンに近づけると、アクセサリーモードに切り替わる。

スマートキーをエンジンスタートボタンに近づけると、アクセサリーモードに切り替わる。

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