2019年3月15日、トヨタはJPN TAXI(ジャパンタクシー)を一部改良して発売した。価格は据え置かれている。

車いすでの乗降性を高め、より使いやすいタクシーに

ジャパンタクシーは、トヨタがタクシー専用に開発したモデルだ。2013年の東京モーターショーに「JPN TAXI コンセプト」として参考出品され、その後タクシー会社などの意見を取り入れつつ市販化を目指し、2017年10月に発売された。

画像: この姿を街中で見かける機会は多くなった

この姿を街中で見かける機会は多くなった

以来、2019年2月末で約1万790万台が登録され、首都圏のタクシーは半分以上がジャパンタクシーではないかと思われるほど増殖している。

だが、そのジャパンタクシーにも問題があった。車いすで乗降するためのスロープの組み立てが難しいとか、固定用ベルトや延長シートベルトの置き場所などが課題とされていた。

車いすの乗客を乗せたことのないドライバーも多く、乗車を拒否する状況もあったほど。そこで2019年2月、トヨタは規範車向けの改善内容を発表した。

●車いす乗降用スロープを、折りたたみ3つ折りから2つ折りに変更、さらに延長用スロープについては、折りたたみ構造から樹脂一枚板に変更し、設置作業を簡素化。また、車いす乗降用スロープ1枚で単独使用できる機会を増やすため、スロープの長さを840mmから1100mmに延ばした
●ベルト類を入れていた収納袋を廃止し、出し入れしやすいポケットをフロアに常設
●設置作業手順を書いたラベルを各箇所に貼付け、作業忘れ対策を実施

これらの改善により、スロープ設置から車いす固定などにかかる時間を3分程度(作業の習熟度が高い場合)に短縮した。

画像: スライドドアに低い床、広い室内で定評は高い

スライドドアに低い床、広い室内で定評は高い

さらに今回、以下の点を改良した。

●衝突回避または被害軽減に寄与するトヨタ セーフティセンスのプリクラッシュセーフティに昼間の歩行者検知機能を追加(2月4日公表済み)
●発進まで乗客を待たせないよう、パワースライドドアの閉じる時間を1.5秒短縮(6.5秒→5.0秒)
●料金トレイの位置を10センチ低くし、手の届きやすい位置に変更
●天候に応じて作動速度をHiとLoに切り替え可能な、間欠機能付きリアワイパーに変更

なお、1.5LにLPGエンジン+モーターのハイブリッドシステム(THS II)のスペックなどには変更はない。車両価格は、和(なごみ)が327万7800円(税込み)、匠(たくみ)が349万9200円(税込み)となっている。

画像: 今回の一部改良ではパワートレインなどに変更はない

今回の一部改良ではパワートレインなどに変更はない

ラグビー ワールドカップ 2019や2020 東京オリンピック&パラリンピックなど、海外からの観光客はますます増えている。外国人はもちろん、お年寄りや身体の不自由な人にも乗降性の良さや室内の広さで定評のあるジャパンタクシー。今回の一部改良で、さらに使いやすいタクシーになっていくことだろう。

ちなみに、ジャパンタクシーはタクシー専用車と謳ってはいるが、一般ユーザーでも購入は可能だ。ただし燃料はLPGとなるので、近くにスタンドを見つけておく必要がありそうだが…。

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