モーターマガジン社のアーカイブから、ちょっと懐かしく珍しいクルマを紹介する新連載企画。第1回目は、60年代の名車、アバルト 1000TC風のカスタムカー。そのベースは?

ジェニオディッタ 1000TCはマニア泣かせの心憎い演出

パッと見は、1960年代のモータースポーツシーンで活躍した名車、アバルト 1000TCコルサ。もっとも、このクルマもフィアット600をベースにしたスペシャルモデルだった。

画像: タイヤは前後異サイズのピレリP600。ビタローニ製のクロームミラーも装着。

タイヤは前後異サイズのピレリP600。ビタローニ製のクロームミラーも装着。

ジェニオディッタ(イタリア語で「天才商会」の意味)1000TCと名づけられたこのクルマは、東京のコレクションというショップが作り上げたカスタムカーだ。ベース車は、なんと2代目日産マーチ。

20点以上のFRPパーツでボディを成形。巨大な口を開けたラジエターグリル、リアのオーバーフェンダー、リアエンジン車だったオリジナルに似せてルーバーの切られたテールゲートなどを装着する。

さらにフィンを切ったアバルト風オイルパンがリアに再現されている。もちろんダミーだが、マニア泣かせの心憎い演出だ。

画像: リアの下回りから覗くフィンを切ったアバルト風オイルパン(もちろんダミー)が心憎い演出だ。

リアの下回りから覗くフィンを切ったアバルト風オイルパン(もちろんダミー)が心憎い演出だ。

インテリアもCFRPのパネルにセットされたイエーガー風のメーターと、MOMO製のステアリングが備わる。

エンジンは基本的にノーマルのままだが、ステンレス製マフラーを装着し、サスペンションもオリジナルのものに変更されていたから、雰囲気のある走りは十分に楽しめた。

画像: CFRP製のパネルにタコ、スピード、油圧、水温などのメーターが並ぶ。

CFRP製のパネルにタコ、スピード、油圧、水温などのメーターが並ぶ。

このジェニオディッタ 1000TCは3台製作された。もう25年以上も前に作られたクルマだが、平成も終わろうとしている2019年に見ても、古さを感じさせないのが面白い。

思えば、同時期にデビューした光岡のビュート(これもマーチがベースだ)がまだ頑張っているのを見ると、こういうカスタムカーがまた世に現れて欲しいと思わずにはいられない。

画像: ランプ類はクラシックMINI用を流用。ボンネットフックは本物のアバルト製だ。

ランプ類はクラシックMINI用を流用。ボンネットフックは本物のアバルト製だ。

ジェニオディッタ TC1000(1993年) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3850×1600×1400mm
●ホイールベース:2360mm
●重量:820kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:997cc
●最高出力:58ps/6000rpm
●最大トルク:8.1kgm/4000rpm
●トランスミッション:4速AT
●タイヤサイズ:前185/55R14、後195/55R14

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