スズキはハイブリッド技術を得て、トヨタはインド市場での販売力拡大を
2017年2月6日、トヨタとスズキは業務提携締結に向けて具体的な検討を進めると発表。さらに翌年、2018年5月には小型超高効率パワートレーンの共同開発やアフリカ市場での販売網などに関する協業内容を発表していた。
そして今回協業項目をさらに増やして、その内容を公開した。トヨタはハイブリッドカー(HV)を含む電動化技術を、スズキはコンパクトカー技術を、それぞれの強みである技術を提供してグローバル市場での競争力を強化していくのだという。
ただし、今回の協業内容は主に海外市場での話であり、日本市場における変化はなさそうだ。
具体的な項目は以下のとおりだ。
■トヨタ:電動化技術や電動車を供給
・グローバル市場:ハイブリッドシステム(THS)をスズキに供給
・インド市場:HV技術の普及のため、HVシステムやエンジン、電池の現地調達化
・欧州市場:トヨタのRAV4やカローラワゴンの電動車をスズキにOEM供給
■スズキ:小型車・小型パワートレーンの供給
・インド市場:スズキのシアズとエルティガをトヨタにOEM供給
・欧州市場:デンソーとトヨタが技術支援するスズキの新開発エンジンを、トヨタがポーランド工場で生産してコンパクトカーに搭載
・アフリカ市場:インド生産の小型車、スズキ バレーノ/ビターラブレッツァ/シアズ/エルティガの4モデルを、トヨタにOEM供給
■両社の強みを活かした協業
・インド市場:トヨタのCセグメントMPVを共同開発。スズキへOEM供給
・インド市場:2022年からトヨタキルロスカ自動車(TKM)で小型SUV「スズキ ビターラブレッツァ」を生産
協業内容の検討はこれで終わることはなく、「持続可能なモビリティ社会」の実現に向けて継続されるというから、今後もこの2社の動向から目を離せない。
トヨタ 豊田章男社長コメント(一部)
「今回の合意により、インドや欧州などのグローバル市場において、ハイブリッド技術がさらに普及することを期待している。さらに、100年に一度の大変革時代を生き抜くための競争力強化につながると考えている。今後も両社の強みを活かし、学びあい、お互いが競争力を強化していけるよう取り組んでいきたい」
スズキ 鈴木修会長コメント(一部)
「欧州やアフリカを含むグローバルな市場での進捗を公表できたのは、喜ばしいことです。また、トヨタさんからハイブリッド技術を使わせていただけることになったのは、誠にありがたいお話であり、精一杯取り組んでいきたい」