2019年4月16日、アストンマーティンは中国・上海で開催されている上海モーターショーにおいて、ブランド初の電気自動車「ラピードE」の生産バーションを世界初公開した。

V12エンジンを搭載するラピード AMRに匹敵する性能

今回世界初公開された「ラピードE」は2015年に発表された「ラピードE プロトタイプ」の市販バージョン。アストンマーティンの電動化の拠点となるイギリス・セントアサン工場で155台のみが限定生産される。

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)と共同で開発されたパワートレーンは、800Vのエレクトリカル駆動システムと容量65kWhのバッテリーで構成され、リアに搭載される2基の電気モーターは610ps以上の最高出力と950Nmという強力なトルクを発生。最高速は250km/h(リミッター作動)で、0→100km/h加速は4.2秒、80→112km/h加速はわずか1.5秒という。

航続距離はWLTPモードで200マイル(約322km)。400V 50kWの充電器を使用した場合、1時間あたり185マイル(約298km)で充電することができ、800Vの充電プラグを使用すれば、1時間当たり310マイル(約500km)で急速充電することも可能だという。またこのクルマには、約3時間で充電することができる、ハイパワーAC充電器も搭載されている。

デザインはラピードのエレガントなフォルムを基に、電気自動車としての最適化が行われている。たとえば、電気自動車では従来の内燃エンジンよりも冷却要件を低く設定することができるため、ボディを通過するエアフローを最小化。その上でアンダーフロアもフロントスプリッターからリアディフューザーへの流れを最適化している。とくにリアディフューザーは、従来のエキゾーストシステムが不要になったことを受けて専用設計されている。

タイヤは転がり抵抗の少ない専用のピレリP-Zeroタイヤを装着、鍛造アルミニウム製のホイールも空力を追求した新しいデザインとなっている。

インテリアにもラグジュアリーブランドの電気自動車にふさわしいテクノロジーと素材が採用されている。従来のアナログメーターのかわりに10インチのデジタルディスプレイが設置され、バッテリーの充電状態、現在のモーター出力レベル、回生パフォーマンス、リアルタイムのエネルギー消費量といった重要な情報はここに表示される。また、多くのエリアにカーボンファイバーが使用されているのも特徴となっている。

クルマの主要な情報は専用のアプリを通して離れた場所からでも確認することが可能で、ナビゲーションの目的地も設定することもできる。

アストンマーティン・ラゴンダ社のDr アンディ・パーマー社長兼グループCEOは「ラピード Eの発表は、アストンマーティンにとって大きな意味を持っています。アストンマーティン初の電気自動車を発表することで、私たちは歴史的な一歩を踏み出しました。アストンマーティンは環境に対する責任と持続可能な未来の実現という大きな挑戦に向けて準備を進めています。自動車メーカーとして、私たちはこれから到来する未来をそのまま受け入れることはできません。私たちは、積極的により良い未来を追求しています。そうすることによってのみ、私たちは学習し、準備することができます。しかし、その一方で、ドライバーや自動車愛好家として、愛すべきものを未来へと残していく必要もあります。このような理由により、たとえEVテクノロジーを採用しても、アストンマーティンならではの特徴を維持することが非常に重要でした。私は ラピード Eがこのような願望を具現化し、エキサイティングな未来の扉を開くと確信しています」と語っている。

なおラピードEの日本導入予定や価格など詳細は明らかになっていない。

画像: ラピードのエレガントなフォルムを基に、電気自動車の利点をいかしてデザインされている。

ラピードのエレガントなフォルムを基に、電気自動車の利点をいかしてデザインされている。

画像: バッテリーパックはV12エンジン、ギアボックス、燃料タンクが配置されていた場所に搭載されている。

バッテリーパックはV12エンジン、ギアボックス、燃料タンクが配置されていた場所に搭載されている。

画像: ラグジュアリーブランドの電気自動車らしいインテリア。

ラグジュアリーブランドの電気自動車らしいインテリア。

アストンマーティン ラピードE 主要諸元

●全長×全幅×全高=5019×1929×1350mm
●ホイールベース=2989mm
●車両重量=2140kg
●パワーユニット=電気モーター2基
●最高出力=612ps
●最大トルク=950Nm
●駆動方式=後輪駆動

This article is a sponsored article by
''.