1.6Lから1.5Lにわずかながらダウンサイジングされた308用のディーゼルユニットを、初テスト。効率優先の進化かと思いきや、スペック以上に活発なフィーリングで楽しませてくれた。(Motor Magazine 2019年6月号より)
画像1: 【試乗】プジョー308、新型1.5Lディーゼルターボエンジンはスポーティさとコストパフォーマンスがグッと進化

ダウンサイジングされた新世代ディーゼルターボエンジン

プジョーは、Cセグメントにあたる308/308SWには、1.6Lと2L、2タイプのディーゼルユニットを設定していた。その1.6Lが2018年の暮れ、1.5Lの新世代に生まれ変わった。

VD5と呼ばれる新エンジンは、PSAが持つ最先端のディーゼル技術を総動員しつつ、フォードと共同開発したもの。2000barという高圧を実現したコモンレールインジェクション、可変ジオメトリーターボ、電動ウエストゲート、4バルブDOHC化に加え、フリクションを低減するダイヤモンドコートなどを採用して効率を徹底的に向上させている。

出力は130ps/300Nm。1.6L版に比べて排気量を減らしながら、のパワーアップに成功しているわけだ。

画像: 試乗車は特別仕様車308SW GTライン ブルーHDi。新型ディーゼルユニット搭載のGTライン ブルーHDiは、ハッチバックモデルにもラインアップ。

試乗車は特別仕様車308SW GTライン ブルーHDi。新型ディーゼルユニット搭載のGTライン ブルーHDiは、ハッチバックモデルにもラインアップ。

ガソリンエンジンに近い軽快な回転フィール

実際に走らせると、1400kg程度の車重に300Nmのトルクで加速の力強さはかなりのもの。しかもこのエンジン、レブリミットが5000rpmと高く、そこまで頭打ち感なく滑らかに伸びて行く積極性もあわせ持っている。

アクセルレスポンスもすこぶる良い。ガソリンエンジンに近い軽快な回転フィールと言ってもいいだろう。その気になれば、かなりスポーティな走りも可能だ。とは言え、最大トルクの発生回転数は非常に低くて1750rpmから。ワイドレンジの新世代8速ATがリズミカルかつ滑らかに上のギアにリレーしてくれるので、通常の走りではそんな高回転域まで引っ張る必要はない。2000rpmちょっとのところでシフトアップして行くだけで十分に軽快な加速感が得られる。

ちなみに100kn/h巡行時の回転数は8速で1600rpmほど。冷間時や車外ではちょっとノック音が耳につくこともあったが、高速巡行ではディーゼルを意識することはまったくない。

おそらく、高速巡行で安定的に回していると20km/L以上は確実に走るはず。燃料タンク容量は52Lなので、ワンタンクで1000以上は確実にいける、ロングツアラーでもある。(文:石川芳雄)

画像: 新ユニットの1.5Lディーゼルターボエンジン(最高出力130ps、最大トルク300Nm)。先代の1.6L版に比べて10psパワーアップ。

新ユニットの1.5Lディーゼルターボエンジン(最高出力130ps、最大トルク300Nm)。先代の1.6L版に比べて10psパワーアップ。

■プジョー308SW GTライン ブルー HDi主要諸元

●全長×全幅×全高=4600×1805×1475mm
●ホイールベース=2730mm●車両重量=1410g
●エンジン= 直4DOHCディーゼルターボ
●排気量=1498cc
●最高出力=130ps/3750rpm
●最大トルク=300Nm/1750rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=8速AT
●価格=354万7000円(税込)

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