マツダは新時代の幕開けのクルマとしてマツダ3を位置づけ、その車名に社名を付けた。さてそれはどのようなクルマに仕上がっているのだろうか。

自らが「マツダ新時代の始まり」、「マツダの新章が、いま幕を開ける」と謳うように、新型マツダ3の開発にはマツダの心血が注がれているようだ。その力の入れようは、会社名が付けられた“マツダ3” という車名からも見て取れる。

画像: エクステリアデザインでは改めてハッチバックの魅力を表現したという。ボディサイドにキャラクターラインはない、引き算の美学でデザインされた。

エクステリアデザインでは改めてハッチバックの魅力を表現したという。ボディサイドにキャラクターラインはない、引き算の美学でデザインされた。

そんなこれからのマツダを代表するマツダ3に、クローズドな舞台で試乗することができた。プロトタイプ試乗会と銘打たれているが、市販車にかなり近いモデルに乗ることができたと言っていい。

さてマツダ3は、アクセラの後継モデルであるが、この新型からはグローバルで使われているマツダ3の名前に統一された。その意図は冒頭に書いたように、このモデルが新しい時代への始まりとなるモデルという位置づけだからである。その開発テーマは「誰もが羨望するクルマ」だという。その実現のためにデザイン、走り、静粛性、環境性能などを全方位で向上させているのだ。

画像: シンプルな造形のインテリアだが、コクピットは左右対称となりディスプレイも運転者側に傾けられている。

シンプルな造形のインテリアだが、コクピットは左右対称となりディスプレイも運転者側に傾けられている。

エクステリアデザインを見るとボディタイプはハッチバック(マツダはファストバックと呼んでいる)とセダンが用意されているが、それぞれに異なる個性が与えられた。ハッチバックは「色気ある魂」を、セダンは「凛とした伸びやかさ」をデザインコンセプトとしている。

試乗モデルは、ファストバックが1.8Lディーゼルエンジン搭載のXD Lパッケージ、セダンが2Lガソリンエンジン搭載の20S Lパッケージである。それぞれ、外周路で直進安定性や加速性能、ハンドリングコースでコーナリング性能などを確認した。

画像: 誰もが最適な位置で運転できるよう、ステアリングのテレスコピック量を従来より前後10mmずつ拡大した。

誰もが最適な位置で運転できるよう、ステアリングのテレスコピック量を従来より前後10mmずつ拡大した。

試乗コースは、荒れた路面のない整備されたクローズドコースということもあり総合的にはとても好印象だ。静粛性は高く、乗り心地は快適、ドライバーとクルマの一体感も強く、マツダの開発陣の意図した仕上がりだと言えるだろう。

今回の試乗で唯一気になったのは、 100km/hから120km/hへ速度を上げていったときに聞こえてくるエンジン音ぐらいだ。せっかくならこのあたりももう少し刺激的なサウンドにして欲しい。

画像: パワートレーンは写真の2Lガソリンの他に1.5Lガソリン、1.8Lディーゼル、スカイアクティブXを用意する。

パワートレーンは写真の2Lガソリンの他に1.5Lガソリン、1.8Lディーゼル、スカイアクティブXを用意する。

そんなマツダ3では、実はNVH性能に注力したという。そのために減衰節と減衰接着剤を使用し、振動エネルギーを熱エネルギーに変換している。どちらも振動を低減するためものだが前者は10カ所に付けられ、後者は7.5m長で使用している。

画像: セダンのエクステリアでは上質さを表現。同じマツダ3でもファストバックとは異なる個性が与えられた。

セダンのエクステリアでは上質さを表現。同じマツダ3でもファストバックとは異なる個性が与えられた。

さらに室内への騒音の侵入を防ぐため繊維を繊細化したフロアマットも採用し、吸音効果を上げている。室内の静粛性が高いと感じられたのは、こうしたことが効果的だということなのだろう。(文:千葉知充・Motor Magazine編集長/写真 井上雅行 )

■マツダ3 ファストバック XD Lパッケージ 主要諸元
全長×全幅×全高:4460×1795×1440mm、ホイールベース:2725mm、車両重量:1410kg、パワートレーン:直4DOHCディーゼルターボ、エンジン排気量:1756cc、最高出力:85kW(116ps)/4000rpm、最大トルク:270Nm/1600-2600rpm、トランシミッション:6速AT、駆動方式:FF、WLTCモード燃費:19.8km/L、車両価格:291万9000円

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