2015年に発表されたメルセデス・ベンツのミドルクラスSUV「GLC」が大幅な改良を受け、さらにスポーティなエクステリアとなって生まれ変わった。(Motor Magazine 2019年8月号より)

フェイスリフトの注目点は3つ

画像: フェイスリフトの注目点は3つ

メルセデス・ベンツの人気SUV、GLCがマイナーチェンジを受けた。その注目点は3つ。ひとつはフェイスリフトを受けて最新の「メルセデス顔」に生まれ変わったこと。ふたつめは「ハイ、メルセデス!」で起動可能なメルセデス・ベンツ自慢のユーザーインターフェイス「MBUX」を搭載したこと。そして3つめがパワープラントのアップデートである。

近年、欧州の自動車メーカーは熱心にエンジンの世代交代を進めているが、これは欧州で実施される最新の排出ガス規制や燃費規制に適合させるのが主な目的。メルセデス・ベンツも2L 4気筒ガソリンエンジンにベルト駆動のスタータージェネレーター付きのマイルドハイブリッドを導入したり、2L 4気筒のディーゼルエンジンは、パーツを98%新設計としたうえでSCR(選択式還元触)を2段構えにして排出ガスを浄化。これにより新規制に対応している。

最初に試乗したGLC300dは従来型の200dよりも明らかにエンジンの燃焼音が静かで、回転も滑らか。パワーの立ち上がりもスムーズで活発な走りが楽しめた。さらに印象的だったのがエアサスペンションが装備されていたことだ。そのしなやかな乗り心地とボディの無駄な動きを抑えるフラット感は、金属バネ仕様では到底、実現できないもの。新型ではエアサスペンション仕様の日本導入も検討されているというから、こちらも楽しみだ。

なお、日本で発売されるディーゼルモデルは300dではなく220dとなる予定だが、エンジンの基本設計は共通なので、前述した改良点は220dにも受け継がれると予想される。

画像: 従来型の220dに比べ燃焼音が静かに感じられた300d。

従来型の220dに比べ燃焼音が静かに感じられた300d。

続いて試乗したガソリン仕様のGLC300は、当然のことながらディーゼルを上まわるスムーズさと静粛性を実現。さすがにエンジントルクは300dに及ばないものの、これをマイルドハイブリッドが効果的に補っている点が印象に残った。また、こちらは金属バネ仕様だったが、従来型に比べて微振動の吸収性、ロードノイズ、フラット感などがいくぶん改善されたように思えた。このほかAMG43、AMG63、PHEVの350eなどの日本導入が検討されているようだ。(文:大谷達也)

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