1985年に2.3L 直4エンジンを搭載して登場したM3は、2007年の4代目では4L V型8気筒エンジンを搭載することになる。初代M3を知るファンからは「これがM3か」という声も上がったが、そのエンジンは先進的かつ高性能で「これこそ新しい時代のM3」と評価はぐんぐん上がっていった。

4代目M3は新しい時代へと動き出したBMWの象徴だった

2007年、新世代のM3は4代目にしてついにV型8気筒エンジンを搭載する。それまで何度も「エンジン・オブ・ザ・イヤー」の表彰を受けた直列6気筒エンジンに代わって、最高出力420psを発揮する排気量3999ccの新しいV型8気筒エンジン(S65B40型)が搭載されたのだ。

当時、M3へのV8エンジン搭載は賛否分かれたが、そのエンジンの基本構造は同時期のM5/M6用のV10エンジンと共通で、ブロックはアルミ鋳造、シリンダー壁はF1用エンジンと同様に結晶化シリコンで強化されていた。まさにハイテクを満載したエンジンで、E46型M3の直6エンジンと比べて15kg軽量化されていたと同時に、ショートストローク設計でレブリミット8400rpmと高回転型とするなど、ファンを唸らせる高性能を持っていた。

この4代目M3は、2007年3月のジュネーブオートサロンでまず「M3コンセプト」として登場、4月にその量産型「M3クーペ」(E92型M3)が発表されている。そのボディは先代よりもひと回りが大きくなったが、カーボンファイバールーフやアルミ製ボンネットを採用するなど軽量化が図られていた。

2007年10月には東京モーターショーでM3 セダン(E90型M3)が登場。カーボンファイバールーフの採用は見送られたが、基本的なメカニズムやエクステリアはM3クーペに倣っていた。さらに翌年3月のジュネーブオートサロンではM3カブリオレ(E93型M3)が登場。このモデルは日本に導入されていないが、3シリーズカブリオレと同じ電動油圧式リトラクタブルハードトップを備えた「クーペ・カブリオレ・スタイル」の美しいデザインとハイパフォーマンスの組み合わせは話題となった。

4代目M3でのメカニズム的トピックはもうひとつ、従来型の6速セミATであるSMGに代わり、7速のM・DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が搭載されたことがあげられる。このM・DCTはドイツ本国ではクーペ、セダン、カブリオレの全車種で選ぶことができた。

モータースポーツでは、2012年シーズンからM3クーペをベースとしたマシンでドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦している。2011年シーズンまで参加車両は4ドアセダンに限定されていたためM3セダンでの出場が予想されていたが、2012年シーズンより2ドアクーペに統一されたためM3クーペでの参戦となった。

この他、BMW M社はクラブスポーツイベントの参加に最適なスーパースポーツ、M3 GTS(E92型クーペ)を開発。このM3 GTSは、駆動システムやサスペンションだけでなく、ボディやインテリアにまでも手が加えられていて、4.4Lに拡大されたV8エンジンは450psを発揮していた。

初のMモデルの生産開始から30年が過ぎ、2008年にBMW M社は30万台目の車両を生産した。

画像: 初代M3は当初目標の3倍以上となる1万8000台を販売。1992年登場の2世代目M3は7万2000台、1999年デビューの3代目M3はなんと9万台のセールスを記録している。その性格の変遷もうなずける。

初代M3は当初目標の3倍以上となる1万8000台を販売。1992年登場の2世代目M3は7万2000台、1999年デビューの3代目M3はなんと9万台のセールスを記録している。その性格の変遷もうなずける。

画像: M3として初めてのV型8気筒エンジンとなるが、自然吸気、高回転コンセプト、ライトウエイト、リアホイールドライブといった特徴は受け継がれている。

M3として初めてのV型8気筒エンジンとなるが、自然吸気、高回転コンセプト、ライトウエイト、リアホイールドライブといった特徴は受け継がれている。

BMW Mの系譜のバックナンバー

BMW M3クーペ(2007年)

●全長:4615mm
●全幅:1804mm
●全高:1418mm
●ホイールベース:2761mm
●車両重量:1655kg
●エンジン:V型8気筒 DOHC
●排気量:3999cc
●最高出力:420ps/8300rpm
●最大トルク:400Nm/3900rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速MT
●最高速: 250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:4.8秒

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