幻のポールポジションで勝機を逃したフェルスタッペン
予選でトップタイムをマークしたマックス・フェルスタッペンは、失意の6位に終わった。メキシコGPはレッドブル・ルノーで過去2連勝中。レッドブル・ホンダで臨んだ今回も、予選で最速タイムをマークした。しかし、Q3の2度目のアタック中にイエローフラッグを無視したとして、3グリッドのペナルティを科され、今季2度目のポールポジションは幻となってしまう。そしてこのミスが、レースでも大きく響くことになった。
スタートでハミルトンと競り合ったフェルスタッペンはアウト側に押し出されて順位を落としたばかりか、追い上げ中にボッタスと接触してタイヤをバーストして緊急ピットインすることになったのだ。その後、猛烈に追い上げたフェルスタッペンだったが、6位まで復活するのが精一杯。週末を通して絶好調だっただけに、極めて残念な結果となった。
ホンダ勢は、レッドブルのアレクサンダー・アルボンが5位、予選でトップ10に入ったトロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが9位、ダニール・クビアトが11位となった。
タイヤマネージメント合戦を王者ハミルトンが制する
フリー走行で、3種類のタイヤのうちソフトタイヤがまったく“使えない”ことが明らかになり、上位勢は予選Q2をミディアムタイヤでアタック。レースでは、スタートで履くこのミディアムタイヤからどう戦略を組み立てるかが焦点となった。
3強チームのうち、レッドブル・ホンダが早々に脱落し、フェラーリとメルセデスの4人は1ストップと2ストップに分かれて優勝を争うことになったが、レース後半になると1ストップを選んだハミルトンとベッテルの優位が明らかになっていった。
ここで底力を見せたのが、スタート時のフェルスタッペンとの接触によってマシンにダメージを抱え、さらには、ヴェッテルより早くタイヤ交換をして首位に立ったものの周回数の多いタイヤでレース終盤をしのぐことになったハミルトンだった。
後方からジリジリと追い上げるヴェッテルに対し、ハミルトンは見事なタイヤマネージメントを披露。結局最後までアタックする隙を与えず、そのままトップでチェッカーを受けた。シーズン10勝目を達成したハミルトンは、3位となったポイントランキング2位のボッタスとの差を74点にまで広げ、11月3日、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカで開催される第19戦アメリカGPで、8位以上に入れば無条件で6度目のタイトルが決まる。
2019 F1第18戦メキシコGP決勝 結果
優勝 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)71周
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)+1.766s
3位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+3.553s
4位16 C.ルクレール(フェラーリ)+6.368s
5位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+21.399s
6位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+68.807s
7位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+73.819s
8位3 D.リカルド(ルノー)+74.924s
9位 10 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ) +1周
10位 27 N.ヒュルケンベルグ(ルノー)+1周
11位 26 D.クビアト(トロロッソ・ホンダ)+1周
2019 F1ドライバーズスタンディング
1位 L.ハミルトン(メルセデスAMG)363
2位 V.ボッタス(メルセデスAMG)289
3位 C.ルクレール(フェラーリ)236
4位 S.ヴェッテル(フェラーリ)230
5位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)220
6位 P.ガスリー (トロロッソ・ホンダ)77
2019 F1コンストラクターズスタンディング
1位 メルセデスAMG 652
2位 フェラーリ 466
3位 レッドブル・ホンダ 341
4位 マクラーレン・ルノー 111
5位 ルノー 73
6位 トロロッソ・ホンダ 64