マイナーチェンジされたスカイラインはプロパイロット2.0の採用、多様なパワーユニットをラインナップするなど注目点が多い1台だ。(Motor Magazine 2019年11月号より)

安心感のある運転支援機能

「ニッサン顔」へとフェイスリフトされた新しいスカイライン。正直、取ってつけた感はなくはないが、しかしインフィニティのマーク付きよりはいいはずだ。 注目はプロパイロット2.0だろう。高速道路では設定したルートに従って追い越しや分岐まで含めて出口まで走行を支援し、同一車線内でのハンズオフも可能とする。

使ってみるとは車線内のトレースの正確さ、滑らかさはとても好印象。3D高精度地図の採用と緻密な制御、完成度の高いシャシによって、公道でのハンズオフを、安心して使うことができた。

ドライバーの顔や目の向きは常にチェックされているから、前方を注視していないと、この機能は使えない。あくまで自動運転ではなく運転支援なのだ。

車線変更支援機能も目玉のひとつだ。前走車に追いついてクルマから促された時には承認すれば、あるいは自らの意思によるウインカーレバーの操作で、スムーズな車線変更が行われる。この時にはハンドルに手を添えておかなければならない。

動作状況、センシング情報が眼前の大型ディスプレイに表示され、クルマが何を認識しているのか明確なのは安心感に繋がるが、そうしてまで車線変更をクルマに任せるメリットは、それほどないかな、というのも事実だ。

画像: プロパイロット2.0は、高速道路では設定したルートに従って追い越しや分岐まで含めて出口まで走行を支援し、同一車線内でのハンズオフも可能としている。(ハイブリッドGT Type SP)

プロパイロット2.0は、高速道路では設定したルートに従って追い越しや分岐まで含めて出口まで走行を支援し、同一車線内でのハンズオフも可能としている。(ハイブリッドGT Type SP)

V6 3L搭載モデルの走りに好印象

プロパイロット2.0が標準装備されるのはハイブリッドのみでターボには設定がない。だがV型6気筒3Lツインターボユニット搭載車が望外の走りっぷりを見せ、悩ましい気持ちになってしまった。

最高出力304psを発生するこのエンジン、低速域から力感にあふれ、かつ高回転域に向けた伸びの良さ、それに追従するパワー感をも得ていて、実に気持ち良い。セダンらしい低重心感が際立った軽やかなフットワークを楽しめる。

スポーツセダンという言葉を躊躇なくつかえるできだ。しかも、その上には最高出力405psの「400R」も新たに設定されている。今回は試す機会がなかったが、こちらの走りも大いに期待できそうだ。

最新の運転支援装備も新エンジンの走りも、魅力十分の新しいスカイライン。中身の進化を知った後には、そのデザインも格段に精悍に見えてきた。(文:島下泰久)

画像: プロパイロット2.0作動中は、メーター内の液晶パネルに自車周辺のクルマの車種と位置関係がリアルタイムでアニメーション表示される。

プロパイロット2.0作動中は、メーター内の液晶パネルに自車周辺のクルマの車種と位置関係がリアルタイムでアニメーション表示される。

試乗記一覧

■日産スカイライン ハイブリッドGT Type SP主要諸元

●全長×全幅×全高=4810×1820×1440mm
●ホイールベース=2850mm
●車両重量=1840kg
●エンジン= V6DOHC
●排気量=3498cc
●最高出力=306ps/6800rpm
●最大トルク=350Nm/5000rpm
●モーター最高出力=68ps
●モーター最大トルク=290Nm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=7速AT
●車両価格(税込)=616万円

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