「215/45R17 91W XL」や「155/65R14 75H」などタイヤサイズの数字やアルファベットの意味を知ることは、それぞれのクルマに適した、より安全なタイヤ選びにつながる。ここでは、一般的なオンロード向け乗用車用のラジアルタイヤのサイズを解説していこう。

断面幅や扁平率、ロードインデックスや速度記号など、タイヤサイズを解説

北海道や東北地方など北日本では、天気予報で降雪が伝えられる季節になってきた。こうしたサマータイヤからスタッドレスタイヤに交換する時期に合わせ、新しいタイヤに交換するという人も多いだろう。

このときに注意したいのがタイヤサイズだ。基本的にはノーマルタイヤのサイズと同じにすることをオススメする。異なるサイズのタイヤを装着すると「横滑り防止装置」のように車速と関連する機能などが正しく作動しなくなる可能性があるからだ。

新車で購入してからタイヤを交換していなければ、純正装着タイヤと同サイズを選べばいい。中古車のように純正装着時のタイヤサイズがわからない場合は、運転席のドアを開けてBピラーのあたりに貼られているタイヤサイズのラベルを見ればわかる。このほかタイヤのサイドウオール(横から見える円周面)にもサイズ表示がある。

画像: 運転席のドアを開けたところに貼られているラベル。純正装着タイヤのサイズや、純正タイヤサイズでの指定空気圧などが記されている。

運転席のドアを開けたところに貼られているラベル。純正装着タイヤのサイズや、純正タイヤサイズでの指定空気圧などが記されている。

そこには「235/45R17」のように、最初に3ケタの数字、/の次に2ケタの数字が書かれ、Rの表示の次にまた2ケタの数字が並ぶ。

上記のタイヤサイズを例にとって数字などの意味を解説すると、最初の235はタイヤの断面幅の意味で、総幅からサイドウオールの模様やロゴなど除いた幅で単位はmm。この場合、断面幅が235mmあることを示している。

画像: タイヤサイズ235/45R17を例に、タイヤ幅「235」がどこのことを表すのか解説。

タイヤサイズ235/45R17を例に、タイヤ幅「235」がどこのことを表すのか解説。

次の45は偏平率(%)の表示だ。偏平率は、タイヤの幅に対する高さ比率を示しているから、235mmの45%の高さであることがわかる。この数字が40、35と小さくなるとタイヤの高さが小さくなり、ホイールに薄いゴムが巻き付いているように見えるようになる。スポーツモデルの多くに35や30の偏平率のタイヤを採用するのは、コーナリング時にサイドウオールのよじれを少なくし、ダイレクトな操作感を得られるからだ。また、そのスポーツ性を外観的要素で演出するため、こうした偏平率のタイヤを装着している。

ただしこの偏平率は、155R13のように軽自動車やコンパクトカー向けタイヤの一部で表示されていないこともある。この場合、偏平率が80%か82%のため表示しなくてもいいことになっていて155/80R13と同じサイズと考えていい。

画像: タイヤサイズ235/45R17を例に、扁平率「45」がどこのことを表すのか解説。

タイヤサイズ235/45R17を例に、扁平率「45」がどこのことを表すのか解説。

英文字のRはタイヤのラジアル構造を表し、その頭文字を表示している。現在の市販タイヤはラジアルのみになっているが、昔はバイアス構造のタイヤもあったので、その構造を区別するためにRが付けられた。

Rの次が対応するホイールのサイズで、ここ数字の単位はmmではなくインチ表示となる。17の場合は、17インチのホイールに適合していて、このサイズがホイールと合わなければ組み合わすことができない。

タイヤサイズのあとに表記される、ロードインデックスや速度記号とはなにか

ここまで説明してきた235/45R17や195/65R15のようなタイヤサイズの後に、文字間隔を開けて97Wや91Hなどと表記がある。

このうち2ケタの数字はロードインデックス(LI)という、タイヤにかけられる最大負荷を表示している。乗車定員や積載能力の大きくないセダンやクーペであれば、この数字が多少異なるタイヤでも大きな問題はないが、ミニバンやSUVは純正指定と同じかそれ以上を必ず装着したい。

3列シートを用意するミニバンやSUVで、さらに荷物などを積載するとタイヤに高い負担がかかりやすい。ロードインデックスの数値が足りないタイヤで、路面が熱くなる夏の高速道路をロングドライブすると、最悪の場合バースト(破裂)することがあるから注意したい。高速道路のPAやSAで休憩するときにタイヤのサイドウオールを触ってみることをオススメする。過熱している場合はタイヤが冷えるまで休憩し、空気圧が足りているかキズや変形などがないかチェックしたい。

ロードインデックスが合ったタイヤでも空気圧が足りていなければ、タイヤ内部の構造が破壊されてバーストにつながる恐れもある。そのため1カ月に1度は、タイヤが冷えている冷間時に必ず指定空気圧に調整することが大切。

画像: 195/65R15 89Hの「89」のように、タイヤサイズの後に記されるロードインデックスを表にして記載。

195/65R15 89Hの「89」のように、タイヤサイズの後に記されるロードインデックスを表にして記載。

ロードインデックスの後の英文字は、速度記号と呼ばれる最高速の表示のこと。Hは210km/h、Vは240km/h、Wは270km/h、Yは300km/hまで、指定のロードインデックス以内で走行可能という意味を表す。また、235/45ZR17という表示の場合の「ZR」とは速度カテゴリーのことで、240km/h以上で走ることが可能だ。

大型SUV向けのタイヤに多いのが、サイズ表示の最後に記載される「XL(エクストラロード)」の表示。純正でXLが指定されている場合は、タイヤ交換するときも必ずXLを装着したい。これは簡単に言うと、より高い空気圧にすることによりロードインデックスを高められるタイヤだ。表示のないタイヤを装着して過酷な走行を続けると、これもバーストにつながる可能性があり、事故につながる恐れもある。

画像: 195/65R15 89Hの「H」のような、速度記号を表にして記載。

195/65R15 89Hの「H」のような、速度記号を表にして記載。

カスタマイズでホイールのインチアップやダウンをする場合は、タイヤ専門ショップに相談することをオススメする。タイヤ外径が大幅に異なっていたり、種類が異なるタイヤを装着することはトラブルにつながることもあるから注意したい。

タイヤは、クルマが唯一路面と接触している大切な部品であることを忘れず、交換する場合は車両に合ったサイズを選ぶことが大切。路面との接地面積は、タイヤ1本で郵便はがき約1枚分といわれ、そこに乗っている大切な命をこのわずかな面積で支えているからだ。(文:丸山誠)

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