これから赤ちゃんが生まれて、新しい家族が増える! と楽しみにしている読者諸氏のために、チャイルドシートについてあらためて考えてみたい。今回は最終回として、子ども連れドライブの過ごし方を考えてみよう。(写真はすべてイメージです)

機嫌が直るように与えがちな食べ物にも意外な落とし穴がある

自分自身が子育てしていた二十数年前は、マイカーでの車内飲食を禁止していました。食べこぼしで車内が汚れることが嫌だったので、長距離ドライブでも、マメに休憩を取って、クルマから降ろしたときに麦茶を飲ませたり、お菓子を食べさせたりしていたものです。ですが現在、我が家の二人の孫には車内飲食を禁止していません。DVDなどで機嫌よく乗っていても、休憩や食事のタイミングがずれてしまったときに、子どもたちは待ってはくれず、ダブルでぐずり始めると、泣き叫びの大合唱になるからです。

先日、後席モニターの付いていないクルマで娘と孫たちと出かけたときのことですが、大渋滞に巻き込まれました。その直前に休憩を取り、菓子パンを食べさせてから出発したのですが、渋滞で時間がかかってしまい、案の定、お気に入りのムービーが見られないことで飽きてしまった1歳5カ月の子どもが大泣きを始めました。高速道路とはいえ、パーキングもない路線で、クルマを止めて休憩することもできません。いつまでたっても泣き止むどころか、どんどん激しくなってむせるようになり、とうとう吐いてしまったのです。

画像: 子連れドライブには後席モニター付きのクルマが最適なのだが・・・。

子連れドライブには後席モニター付きのクルマが最適なのだが・・・。

直前に食べた菓子パンがノドに詰まって、顔色が真っ赤から紫色に変わったので、路側帯に緊急停止。同乗していた娘が、素早くチャイルドシートから降ろして抱きかかえ、背中を叩いて詰まっていたパンを取り除くと、顔色が元に戻り、声をあげて泣いたので、ホッとしました。

車内で食事したわけではないのですが、移動の直前に食べたもので窒息するところだったのです。みるみる変わる顔色をルームミラーで見たときの、ドキッとした衝撃は忘れられません。休憩時に食事をとったら、食後も余裕をもって休憩して消化を促して、移動中に吐くことのないように気をつけたいものです。

もしも、吐いて窒息の危険がある場合は、追突されないようにハザードランプをつけて、できるだけ素早く安全地帯のある路側帯にクルマを止めて、チャイルドシートから降ろしてお腹を抱きかかえて頭を下にし、背中を叩いて吐しゃ物やノドに詰まったものを取り除きます。慌てず、素早く行動しましょう。

画像: 車内で飽きたときの気分転換に、子どもに食べ物を与えることも少なくないはず。

車内で飽きたときの気分転換に、子どもに食べ物を与えることも少なくないはず。

子どもが空腹でぐずり始めると、つい食べ物を与えがちです。飽きた時の気分転換に、食べ物を与えてしまうことも少なくないでしょう。車内飲食はしない方が無難なのですが、気分転換にいろいろなことを試してみて、それでもぐずって仕方ない場合は、もしものときを考えて、棒のついていないアメや口の中がパサつくお菓子は避け、口溶けの良い小さいお菓子を少しだけ与えましょう。ただ、水分補給は大切なので、お茶などを飲ませるのはマメにします。

子どもとのドライブは、想定外の出来事もいろいろ起こります。基本はチャイルドシートを正しく装着して、正しく乗せて、安全にドライブすることです。子どもを守れるのは、子供を乗せているあなただけです。ママやパパだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんも含めて、チャイルドシートやドライブの知識を深めて、安全で快適なクルマ生活を送ってもらいたいものです。

画像: 車内では必ずチャイルドシートに座らせて、安全で快適なクルマ生活を!

車内では必ずチャイルドシートに座らせて、安全で快適なクルマ生活を!

では最後に「子ども連れドライブ 安全&快適なものにするポイント」をまとめておきましょう。

●チャイルドシートに慣れさせる
 家にチャイルドシートを置いて座らせる練習をする
●月齢・体格に合わせる
 肩ベルト位置はマメに調節する
●車内環境を整える
 チャイルドシートのある後席の温度調節はコマメに
 日が当たっていないかどうか確認
 日除け・暑さ対策は忘れずに
 車内の匂い対策は無香料の消臭剤を
 (クルマ酔いしやすい子どもは匂いに敏感)
●車内で楽しく過ごそう
 後席の子どもへの声掛けはマメに
 お気に入りのタオルやおもちゃを持たせる
 (落とすと騒ぐのでヒモをつけて落下防止策も忘れずに)
 お気に入りの歌を流してみる
 一緒に歌を歌ってみる
 ※モニターがある場合
  お気に入りのDVDをかける
 ※モニターがない場合
  スマートフォンをシートバックに固定して幼児用動画を見せる
●休憩ポイントのチェック
 1~2時間おきにクルマから降りて休憩する
 (距離より時間で区切って休憩)
 長距離ドライブの場合は休憩ポイントをチェックしておく

(文:緒方昌子)

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