3列6人乗りと4列8人乗りの2グレード設定
「グランエース」は、東京モーターショー2019にも参考出品されて、注目を集めていたフルサイズワゴンだ。東京モーターショーの段階で「2019年内には発売予定」とアナウンスされていたから、予定どおりのデビューということになる。
グランエース プレミアム。ボディカラーはブラック。
グランエースは全長5.3m、全幅は2m近いセミボンネットのビッグサイズワゴンだ。フロントまわりは、ヘッドランプと融合した金属調加飾の大型ラジエターグリルが特徴的だ。上下・左右方向に張り出したグリルは、ミニバンの弟分とも言えるアルファード／ヴェルファイアよりも押し出し感は強く、存在感のあるものだ。LEDデイタイムランプはプロジェクタ式2眼LEDヘッドランプに突き刺さるデザインで、高級車にふさわしい先進性を強調している。
ホイールアーチやボディ下部のクラッディングパネルとリアバンパー下端まで連続した金属調加飾モールが、サイドビューの低重心な印象と堂々とした佇まいを演出している。リアコンビランプにもLEDを採用している。
グランエース G。ボディカラーはホワイトパールクリスタルシャイン（オプション装着車）。
室内は長さ3290mm×幅1735mmという広い空間で、3列シート6人乗りの「プレミアム」と、4列シート8人乗りの「G」を設定している。プレミアムでは、2列目／3列目ともに専用のエグゼクティブパワーシートを装備。ロングスライド機構やパワーオットマン、快適温熱シートに格納式テーブルなども備える。Gでは、2列目にパワーエグゼクティブシート、3列目にレバー操作で調整可能なキャプテンシート、4列目はワンタッチで座面が跳ね上がる6：4分割チップアップシートを採用している。
インパネはブラックを基調に、空調吹き出し部に金属調加飾、助手席正面に木目調加飾を配する。メーターフードは表皮巻きと本ステッチ、ステアリングは本革巻きなどで、上質なインテリアとしている。
3列6人乗りのインテリア（内装色はブラック、シート色はニュートラルベージュ）。
4列8人乗りのインテリア（内装色、シート色ともブラック）。
パワートレーンは、2.8Lのクリーンディーゼルとインパネシフトの6速ATの組合せ。尿素SCRなどの採用により、窒素酸化物を大幅に低減し、排出ガス規制の基準「ポスト新長期規制」に適応している。また、アルファード／ヴェルファイアなどと異なり、駆動方式はFR（フロントエンジン／リアドライブ）を採用しているので、ハンドルの切れ角は大きく、大柄なボディながら最小回転半径は5.6m（17インチタイヤ装着車）を達成。市街地での取り回しの良さを実現している。
安全装備では、歩行者（昼夜）や自転車運転者（昼間）を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の「トヨタ セーフティセンス」をはじめ、インテリジェントクリアランスソナーやリアクロストラフィックオートブレーキ、デジタルインナーミラーなどを装備。快適装備では、スマートフォンと連携可能なディスプレイオーディオを標準装備し、コネクティッドサービスを提供できる。
プレミアムのインテリア（内装色はブラック、シート色はニュートラルベージュ）。
車両価格（税込）は、6人乗りのプレミアムが650万円、8人乗りのGが620万円。駆動方式はFRのみ。生産はトヨタのバン事業を移管されているトヨタ車体が行う。
ビッグサイズのワゴンゆえに法人ユースが中心となるだろうが、置き場所に困らず大きなクルマが欲しいという個人ユーザーの需要も期待されている。パワートレーンや装備の違いはあるが、アルファード／ヴェルファイアの最上級グレードより100万円以上安い価格は、こうした個人ユーザーにとってはかなり魅力的かもしれない。
グランエース プレミアム（ボディカラーはブラック）。
トヨタ グランエース プレミアム（G）主要諸元
●全長×全幅×全高：5300×1970×1990mm
●ホイールベース：3210mm
●重量：2740（2770）kg
●エンジン型式・種類：1GD-FTV型・直4 DOHCディーゼル＋ターボ
●排気量：2754cc
●最高出力：130kW＜170ps＞／3400rpm
●最大トルク：450Nm＜46.1kgm＞／1600-2400rpm
●トランスミッション：6速AT
●タイヤサイズ：235／60R17
●税込価格：650万円（620万円）
