2019年12月17日、ダイムラーAGはメルセデス・ベンツのコンパクトSUVである新型GLA(Mercedes-Benz GLA)を欧州で発表した。そこで公開された概要だけでなく、兄弟車種とも言えるGLBとの簡単な比較も行なった。

プラグインハイブリッドシステム導入計画もあり

メルセデス・ベンツの初代GLAは、2014年にデビューしたコンパクトSUV。従来のAクラスをベースにした専用設計のボディをまとい、スリーサイズを拡大してブラックのフェンダーモールやバンパーのアンダーガードを装着するなどSUV色を強めていた。しかし、そのスタイリングは当時から人気だったAクラスのイメージを色濃く残したもので、およそ1500mmという全高の低さもあってクロスオーバーモデルの雰囲気が強かった。

そして2019年12月17日、メルセデス・ベンツはGLAのフルモデルチェンジをドイツ本国で発表した。

画像: メルセデス・ベンツの新型GLA。写真のモデルはエディション1 AMGライン。

メルセデス・ベンツの新型GLA。写真のモデルはエディション1 AMGライン。

新型のボディサイズは全長4410×全幅1834×全高1611mm(欧州仕様値)で、従来モデルの4430×1805×1505mm(日本仕様のGLA180)と比較すると、全高で約100mmも高くなっていることがわかる。ルックスだけでなく室内空間の拡大、さらには最低地上高143mmと高くすることなどによりオフロード走行性能も向上させSUVとしての存在感を増強した形だ。

エクステリアデザインは近年のメルセデス・ベンツSUVモデルに準じたもので、キャラクターラインを少なく曲面を多用したシンプルなボディサイドと、押し出し感のある直立するようなフロントマスクなど同ブランドの個性を強調するものとなっている。

搭載されるエンジンとして、いまのところ1.3L直4ターボ(163hp/250Nm)と2L直4ターボ(306hp/400Nm)の2種類が発表されており、前者は7速DCTが組み合わされてGLA200に、後者は8速DCTとあわせてメルセデスAMG GLA35 4マティックに搭載されるという。この他にもディーゼルエンジンや第三世代のプラグインハイブリッドシステム(PHEV)を採用する計画も進行しているというから、こちらも楽しみである。

また、運転支援システムは最新のバージョンにアップデートされ、機能を増やしたアダプティブクルーズコントロールやアクティブブレーキアシスト、歩行者検知はもちろんのことサイクリスト検知機能も持つ。これによりコンパクトクラスで最高レベルのアクティブセーフティを実現するという。

2020年春に欧州で、同年夏にアメリカ/中国に相次いで導入予定だというが、日本でのデビューがいつになるのか、まだアナウンスされていない。

すでに欧州で発表済みのGLBと新型GLAを比較してみた

さて新型のGLAを見て気になったのは、すでに発表されているGLBとの違いだ。その名称からAクラスとBクラスの関係と同様なのかと思ってしまうが、比較してみるとそれ以上の違いがありそうだ。まずボディサイズを見てみると、全長だけでなくホイールベースもGLAは短い。全長約220mm/ホイールベース100mmの差は、居住性だけでなく走行性能や快適性などの性能に大きく影響しそうだ。

GLA:全長4410×全幅1834×全高1611mm・ホイールベース2729mm
GLB:全長4634×全幅1834×全高1658mm・ホイールベース2829mm

画像: GLA(上)とGLB(下)を比較。GLBは2列シート仕様になっているが、3列シート仕様もラインアップする。

GLA(上)とGLB(下)を比較。GLBは2列シート仕様になっているが、3列シート仕様もラインアップする。

もっとも大きな違いは設定されるシート数だろう。GLBはこのコンパクトSUVクラスとしては珍しい7人乗り3列シートを用意し、ファミリー層へのアピールが強力だ。さらにスクエアなボディデザインによるルーフやリアエンドの高さからも、高い積載性能と後席の頭上スペースを持つ。対してGLAはクーペルックの流麗なボディラインとコンパクトさ、短いホイールベースによるスポーティさと言えそうだ。

まだまだ続くSUVブームにおいて、比較的個性の強いモデルたちが注目されがち。日本未導入のGLA/GLB両モデルが目に見えない個性をどれだけ持っているのか、いまから気になってしまう。

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