従来モデルより20psアップで動力性能も強化
ポルシェブランドの最量販車種であるマカンが、ビッグマイナーチェンジともいえる改良を受けたのが2018年11月のこと。フロントまわりのデザイン変更は大きくなかったが、911やカイエンなどの新型モデルと同様にテールランプの左右を繋げるような変更が施されている。インテリアではインパネのタッチディスプレイを新たに10.9インチに拡大されたほか、運転支援システムも充実させてきた。
しかし、この発表当時のラインアップは2L直4ターボ(252ps/370Nm)を搭載した「マカン」のみ。その後、2019年1月にマカンS(3L V6ツインターボ・354ps/480Nm)、2019年10月にマカンターボ(2.9L V6ツインターボ・440ps/550Nm)と、徐々にハイパフォーマンスモデルを追加してきた。そしてついに、もっともスポーティなグレード「マカンGTS」が発表された。
車両価格は1038万8889円(税込)で、2020年1月15日から販売店での予約受注を開始した。ただし、発売日やデリバリーの予定などはまだ発表されていない。
さて、従来のマカンGTSは360psを発生する3L V6ツインターボエンジンを搭載していたが、今回の新型ではマカンターボに準じた2.9L V6ツインターボに変更されている。パワーも20ps/20Nm強化されて380ps/520Nmを達成。7速DCT(PDK)とスポーツクロノパッケージ(オプション)を組み合わせることで、0→100km/h加速を0.3秒短縮した4.7秒とした。
また、グランツーリスモスポーツの略称であるGTSという名が示すとおり、マカンのなかでももっともスポーツ性能を高められたモデル。ダンパーをコントロールするPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネージメント)を採用、さらに15mmの車高ダウンや20インチホイール、強化されたブレーキディスク(フロント360mm×36mm、リア330mm×22mm)を搭載してパフォーマンスが高められている。
マカンGTSのエクステリアはブラックパーツを多用したスポーティなもの。ルーフエンドのリアスポイラーやドアシルガード、マフラーテールエンド、ホイール、エンブレムなどに採用されて、より引き締まって見える。マカンターボの、ホイールやサイドウインドウモールなどにメッキパーツ調の加工の施されたプレミアム志向とは大きく異なる印象を与えている。
またインテリアでは、シート中央部やセンターコンソール、ドアパネルなどにアルカンターラを配置して高級感を演出する一方、そのステッチやシートベルトに「赤」を配色して印象を強めてる。また安全性と快適性向上のため、アダプティブクルーズコントロールとレーンチェンジアシスト、リヤビューカメラとサラウンドビュー機能付きパークアシストが日本仕様で標準装備された。
ポルシェ マカンGTS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4686×1926×1609mm
●ホイールベース:2807mm
●重量:1910kg
●エンジン種類:V6 DOHCツインターボ
●排気量:2894cc
●最高出力:380ps/5200-6700rpm
●最大トルク:520Nm/1750-5000rpm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ(前):265/45R20
●タイヤサイズ(後):295/40R20
※すべて欧州仕様値