2020年5月22日から24日の開催が予定されていたマツダの100周年記念イベント「MAZDA OPEN DAY 2020」は新型コロナウイルスの影響で、残念ながら今秋以降に延期が決定。その代わりと言っては何だが、マツダを象徴するロータリーエンジンとその搭載車にまつまわるさまざまな話題を、短期集中連載で紹介していこうと思う。第1回は歴代RX-7の魅力を再確認したい。

1978年3月:初代SA22C型

画像: コンパクトかつ低重心のロータリーエンジンだから可能になったスタイル。あまりに低いボンネット高のためリトラクタブルライトを採用した。前後重量配分は50.7:49.3。

コンパクトかつ低重心のロータリーエンジンだから可能になったスタイル。あまりに低いボンネット高のためリトラクタブルライトを採用した。前後重量配分は50.7:49.3。

1978年3月、サバンナRX-7の登場はまさに衝撃だった。常識外れに低いウエッジシェイプのボンネット、ストレートアーム気味で地面すれすれのドライビングポジション、そしてフロントミッドシップ…このパッケージングを実現したのがロータリーエンジンだった。ホンモノのスポーツカーを育てるという自負は、以後、3代にわたって引き継がれた。

サバンナの後継車として78年3月に発売。搭載された12Aは吸気ポートを改善することで、旧来より燃費を40%改善。最高出力も130psまで高められた。これをフロントミッドシップに搭載することで、極限まで低いボンネット高を実現。スーパーカーを連想させるリトラクタブルヘッドランプは、このボンネット高に由来する。従来からあるスペシャリティというカテゴリーと決別し、リアル・スポーツを謳った。79年には希薄燃焼方式を採用、80年にはフロント&リアバンパー(ウレタン)の形状変更でCd値は0.34を達成。リアブレーキがディスク化された。82年には燃料噴射系の制御を変更(希薄燃焼6PI)し、悪いと言われていた燃費を10.2km/L(10モード)まで改善した。83年のマイナーチェンジでは、日本仕様のみ165psの12Aターボ搭載車が設定されている。

画像: 最初期型はややテールハッピーだったため、年次改良の都度、バネレートやスタビライザー径などが変更された。

最初期型はややテールハッピーだったため、年次改良の都度、バネレートやスタビライザー径などが変更された。

<SA22C主要諸元>
サイズ:全長4285×全幅1675×全高1260mm
ホイールベース:2420mm
搭載エンジン:12A型/573cc×2ローター
最高出力・最大トルク:130ps/7000rpm・16.5Kgm/4000rpm
サスペンション形式:(前)ストラット/(後)4リンクリジッド<ワットリンク付>
ブレーキ形式:(前)Vディスク/(後)ドラム

1985年10月:2代目FC3S型

画像: 「大人のスポーツカー」を標榜した2代目FC3S型は、エンジン、車格ともワンランクアップした。最高速は238.5km/hをマークした。

「大人のスポーツカー」を標榜した2代目FC3S型は、エンジン、車格ともワンランクアップした。最高速は238.5km/hをマークした。

2代目の登場は1985年10月。大人のスポーツカーを標榜し、ボディサイズはひとまわり大きく、パワーは大幅に増強された185psとなった。リアサスペンションはトーコントロールハブ付きマルチリンクとなり、コーナリングの限界は一気に高まった。

86年には完全2シーター化、アルミボンネット、BBSホイール、専用ショックアブソーバなどを採用した特別仕様車アンフィニが登場。これが人気となり、以後、都合4回に渡ってバージョンアップ&発売された。87年にはロータリーエンジン発売20周年を記念して、2シーター・フルオープンのサバンナRX-7カブリオレもラインアップに加わる。89年のマイナーチェンジで205psにパワーアップ。89年4月に発売されたアンフィニの3rdバージョンでは215psまでパワーアップされている。

画像: 日本仕様は13B型ターボエンジンのみのラインアップだったが、海外仕様はNAの13B型が主流だった。

日本仕様は13B型ターボエンジンのみのラインアップだったが、海外仕様はNAの13B型が主流だった。

<FC3S主要諸元>
サイズ:全長4310×全幅1690×全高1270mm
ホイールベース:2430mm
搭載エンジン:13B型ターボ/654㏄×2ローター
最高出力・最大トルク:185ps/6300rpm・25.0Kgm/3500rpm
サスペンション形式:(前)ストラット/(後)マルチリンク
ブレーキ形式:(前)Vディスク/(後)Vディスク

1991年12月:2代目FD3S

画像: 随所にアルミ製パーツを使って軽量化を徹底。スペアタイヤのホイールやジャッキもアルミを使うなど徹底された本格スポーツカーだ。

随所にアルミ製パーツを使って軽量化を徹底。スペアタイヤのホイールやジャッキもアルミを使うなど徹底された本格スポーツカーだ。

世界に誇る第一級のスポーツカーの実現を目指し、ロータリーエンジンの特徴を最大限に生かして開発されたのが3代目。日本車であることを強烈に意識させる美しいスタイリングはもとより、255psを発生する13B型シーケンシャルツインターボ、堅牢なシャシ、アルミ材をふんだんに使った足まわりやボンネットなど、一切の妥協を廃したピュア・スポーツカーだ。

96年1月のマイナーチェンジでは最高出力が265psに、99年1月にはついに280psまで高められている。3ローターのユーノスコスモが96年に生産を終了して以後、唯一のロータリーエンジン搭載車として生産されたが、2002年8月に惜しまれながら生産を終了している。なお発売時には当時の販売チャネルである「アンフィニ」を冠していたが、97年10月より単にRX-7と呼ばれるようになった。

画像: 前期型は1型(91年12月〜)、2型(93年8月〜)、3型(95年3月〜)の3タイプ。中期型は4型と呼ばれ96年1月〜。後期型は5型(99年1月〜)と6型(2000年9月〜02年8月)に分けられる。

前期型は1型(91年12月〜)、2型(93年8月〜)、3型(95年3月〜)の3タイプ。中期型は4型と呼ばれ96年1月〜。後期型は5型(99年1月〜)と6型(2000年9月〜02年8月)に分けられる。

<FD3S主要諸元>
サイズ:全長4295×全幅1760×全高1230mm
ホイールベース:2425mm
搭載エンジン:13B型ツインターボ/654cc×2ローター
最高出力・最大トルク:225 ps/6500rpm・30.0Kgm/5000rpm
サスペンション形式:(前)ダブルウイッシュボーン /(後)ダブルウイッシュボーン
ブレーキ形式:(前)Vディスク/(後)Vディスク

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