デザイン
2世代目3シリーズ(E30)から設定されるツーリング。日本での人気はとても高く、導入を待っていた人も多いだろう。ボディサイズは、先代より全長が伸び、全幅も拡がったが、それでもこのセグメントでは標準サイズである。個人的には先代のデザインが好きだったこともあり、一体式のキドニーグリルや円形ではないヘッドライト、半円向かい合わせのメーターなど、新型を見慣れるには少し時間がかかりそうだ。
運転支援機能(ADAS)
便利だったのがACCである。前方車両との距離感や車線の維持機能、そして渋滞時ハンズオフ機能などADASの洗練ぶりはこのクラスでもトップレベルである。さらに50mの軌跡を辿って後退してくれるリバースアシストも便利な機能だ。また試乗車に装備されていなかったが、車載のカメラを使用する後付けの純正ドライブレコーダーも用意される。6万3140円という価格も良心的だと言える。
コネクティビティケーブル、ブルートゥースを使いスマートフォンと簡単に連携できる。ボイスコントロール機能もあるが、音声認識率はあまり良くない。ただし、学習機能もあるので使い込めば改善するかもしれないが、今回はその効果を体感することはできなかった。
燃費性能
長距離移動時には16km/L台、一般道は12〜13km/Lぐらい、そして1週間の平均燃費は14.4km/LとWLTCモード燃費の14.6km/Lに近い記録となった。
車載機能の操作性
慣れ親しんだiDriveは、やはり使いやすい。そのまわりにレイアウトされているスイッチ類もブラインドで使えて便利だ。ジェスチャーコントロール機能も採用されているが、これはあまり使用しなかったが、意図しない誤作動も何度かあったのでこの機能はオフにしておきたい。
安全性能
日本で初めての導入となる3眼カメラが中距離、長距離、周辺を監視することで危険予測や回避性能が充実している。
長距離運転の快適性
乗り心地は硬く路面からの入力も大きい。きれいな路面ではそれほど気にならないが、荒れてくるとこれがかなり気になってくる。これがMスポーツサスペンションとランフラットタイヤ以外だと、どのような乗り心地になるのか興味深い。
ツーリングというキャラクターなら、Mスポーツではなく標準車を選ぶのもありだ。官能性能2L直列4気筒ディーゼルターボは、回して気持いい官能的なエンジンだ。このあたりはさすがBMW。ハンドルの動きにボディがダイレクトに反応し、ワインディングロードでは、気持ち良いほどオンザレール感覚が強い。
車両価格の魅力
実際に購入を検討するとなると666万円というMスポーツの価格は少し躊躇してしまうかもしれない。52万円ほど安い320dツーリングも視野に入れたい。
ステイタス性
日本でのBMWの認知度は高く、人気もあり、多くの人が憧れるブランドだろう。Mスポーツのデザインはスポーティでカッコイイ。
総合評価
E30の時代からツーリングはいつも気になる存在だった。だからこそ期待値はとても高く、新型G21の日本への導入を待ち望んでいた。それが災いしたのか、試乗車は乗り心地の硬さがとても気になり評価は少し辛口となってしまったかもしれない。次は標準車に試乗してみたい。(文:千葉知充)
ボディカラ-:ドラバイトグレー、インテリア:ヴァーネスカ レザーオイスター(専用ステッチ付き)
車両価格 6,660,000円+オプション装備価格 1,243,000円=取材車総額 7,903,000円 7日間の走行距離:700km/平均燃費:14.4km/L
装着オプション:ドラバイトグレー 0円、ヴァーネスカレザーオイスター(専用ステッチ付き) 0円、イノベーションパッケージ 245,000円、コンフォートパッケージ93,000円、デビューパッケージ 392,000円、サウンドパッケージ 191.000円、電動パノラマガラスサンルーフ 206,000円、アクティブプロテクション 48,000円、パーキングアシストプラス 68,000円
●イノベーションパッケージ=BMWレーザーライト(レーザーモジュール付LEDハイ/ロービーム、LEDフロントターンインジケーター、BMWセレクティブビーム、 LEDコーナリングライント、ハイビームアシスタント、光軸自動調整機能付)、BMWヘッドアップディスプレイ、BMWジェスチャーコントロール
●コンフォートパッケージ=ラゲージコンパートメントパッケージ(アンチスリップレールシステム、電動リモートバックレストリリース)、ストレージパッケージ(12V電源ソケット、2.1A USBソケット、シートバック収納、収納ネット、荷物用フック)