世界限定1000台、国内仕様はその内の25台
NCロードスターで生誕を記念した限定モデルは、2009年7月に登場した「ロードスター20周年記念車」。真っ赤なレカロシートなどを特別装備して人気を博した。それから5年後の2014年5月、今度は生誕25周年を記念した「ロードスター25周年記念車」が登場。このモデルが3代目ロードスターとして最後の限定仕様車となった。
この限定仕様車は、2014年のニューヨーク国際自動車ショーで「Mazda MX-5 Miata 25thAnniversary Edition」として初公開された。ということは当然グローバル市場で販売されることを示唆していた。しかし、その総生産台数はわずか1000台と、世界規模の限定車としてはかなり少ない台数だった。
そのため日本に割り振られた台数はわずか25台と、これまで登場してきたロードスターの限定仕様車の中では最小台数なので、きわめて希少価値の高いモデルと言える。また、この「25台」という数字は、「25周年」にちなんだ数字とも言われ、さらに「専用Webサイトで先着予約受付」という販売方法を行うなど、ロードスターファンの心をくすぐる演出がなされた。
「ソウルレッドプレミアムメタリック」のボディは別の工場で塗装
この限定仕様車は、電動ルーフを採用した「パワーリトラクタブルハードトップ RS(6速MT)」をベースにしている。そして一番の注目ポイントはマツダ車の象徴でもあるボディカラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」を採用したことだ。
しかもこのソウルレッドは、当時ロードスターを生産していた宇品工場では塗装することができなかった。そのため宇品工場ではAピラー回りをブラック塗装し、ボディは防府工場まで輸送して塗装した。この手間を考えれば、限定1000台という台数でも納得してしまう。
インテリアは、25周年記念にふさわしいエレガントなオフホワイトのレザーシートとドアトリムを採用するだけでなく、コントラストを効かしたレッドステッチや「25th Anniversary」のロゴなどがあしらわれている。さらにインパネのデコレーションパネルには手塗りのレッド加飾が装着されるなど、特別感の溢れるインテリアを演出している。
エンジンは厳選されたパーツのみを使用
エンジンのパワースペックに変わりはないが、厳選されたピストン、コンロッド、フライホイールのみを使用することで、通常のエンジンよりもバランスと吹け上がりに優れたエンジンに仕上がっている。この手法は1998年に発売された2代目ロードスターの「10周年記念車」の時にも採用されている。
ソウルレッドプレミアムメタリックに塗装された25周年記念車をあらためて見ると、それから4カ月後の2014年9月に発表される「現行型ロードスター」のイメージを表したようにも感じさせる25周年記念車。「だれもが、しあわせになる」。1989年に「初代ロードスター」に込めたこの想いは、三代目NCロードスターにも着実に引き継がれていた。
25周年記念車 車両価格
325万円(6速MT)
ベース車両
RS RHT
特別装備
●専用ボディカラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」
●ブリリアントブラックで統一したパワーリトラクタブルハードトップ、フロントピラーカラー、ドアミラー
●オフホワイトレザーシート&ドアトリム(25th Anniversaryロゴ付、レッドステッチ)+シートヒーター(温度5段調整機能付)
●ベストバランスを求めて厳選したピストン、コネクションロッド、フライホイール
●フロントコンビネーションランプベゼル(ブラック)
●専用シートバックガーニッシュ(ブリリアントブラック塗装)
●205/45R17タイヤ&17インチアルミホイール(ダークガンメタリック塗装)
●専用オーナメント(25th Anniversaryエンブレム、シリアルナンバー付)
●専用ステンレススカッフプレート(25th Anniversaryロゴ付)
●インパネデコレーションパネル(手塗りレッド加飾)
●ステアリング本革巻、シフトブーツ、パーキングブレーキレバー、アームレスト(レッドステッチ)
●サテンクローム仕上げのメーターリング、エアコンベゼルリング、インナードアハンドル
※ビルシュタイン製ダンパーとアルミペダルはベース車(RS RHT)に標準装備