クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第101回は「ランボルギーニ アヴェンタドールS」だ。

ランボルギーニ アヴェンタドールS(2016年-)

画像: 全長はわずかに延長されたが、全幅や全高、そしてホイールベースも変わらない。リアホイールアーチのデザインはカウンタックをインスパイアしている。

全長はわずかに延長されたが、全幅や全高、そしてホイールベースも変わらない。リアホイールアーチのデザインはカウンタックをインスパイアしている。

2016年末、ランボルギーニはフラッグシップのアヴェンタドールをビッグマイナーチェンジし、「アヴェンタドールS」に進化させた。車名の最後に付けられた「S」は、イタリア語のスピント(Spint)の略で、音楽用語で歌や演奏が盛り上がった様子を意味するのだが、それが転じてチューニングをも意味している。ランボルギーニでは、かつてミウラカウンタック、そしてウラッコなどにも「S」モデルが登場したこともあり、それをオマージュしているようだ。

エクステリアのデザインは、基本的には従来型のアヴェンタドールとあまり変わっていない。アヴェンタドール同様、ランボルギーニ社のチェントロ スティーレ(スタイルセンター)が手がけたスタイリングは、フロントまわりとリアエンドを中心にデザインが変更されている。サメのヒレを想起させるようなフロントスポイラーの形状や、従来型からモチーフとされている六角形をさらに強調して3本出しとなったエキゾーストエンドなどが特徴的だ。空力性能も改善され、フロントのダウンフォースは従来型より130%も向上しているという。

インテリアでは、インパネまわりの基本的なデザインなどは大きな変更はされていないが、メーターパネルは全面液晶のTFTモニターとなった。画面にはインフォメーションディスプレイの機能もあり、ドライバーの好みに応じてさまざまな表示にアレンジが可能だ。インテリアの素材やカラーも、従来型同様に豊富なオプションからカスタマイズできる。

画像: 排気量はそのままに、最高出力が740psにアップされた6.5LのV12エンジン。発生回転数も引き上げられた。

排気量はそのままに、最高出力が740psにアップされた6.5LのV12エンジン。発生回転数も引き上げられた。

リアにミッドシップ搭載されるV型12気筒 DOHCの排気量は6498ccと従来型と変わらないが、最高出力は40psアップされて、740psを発生する。最高出力の発生回転数も8250rpmから8400rpmに引き上げられている。最大トルクの690Nmは、発生回転数も含めて変わらない。組み合わされるミッションはシングルクラッチの7速AMTで、フルタイムで4輪を駆動するシステムも継承されている。

それでも、チェンテナリオで採用された4WSシステムを、ランボルギーニのカタログモデルとしては初めて搭載。後輪を低速時には逆位相に転舵して最小回転半径を小さくし、高速時には同位相に転舵して安定性を向上させている。また、チェンテナリオで採用された磁性流体ダンパーも引き継がれている。ドライビングモードも従来の3段階から4段階に変更され、その走りはランボルギーニのフラッグシップにふさわしいものに進化している。公称のパフォーマンスは、最高速度が350km/h、0→100km/h加速が2.9秒とアナウンスされている。

2017年のフランクフルト モーターショーでは、オープンモデルのロードスターも「アヴェンタドールS ロードスター」に進化した。デタッチャブルのハードトップはカーボンファイバー製で約6kgと軽く、フロントのトランクに収納できる。クーペとパワースペックに変わりはなく、最高速度も350km/hと同じだが、0→100km/h加速は3.0秒とされている。

画像: リアエンドも鋭さを増したデザインとなった。センターのエキゾーストエンドは3本出しに変更された。

リアエンドも鋭さを増したデザインとなった。センターのエキゾーストエンドは3本出しに変更された。

ランボルギーニ アヴェンタドールS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4797×2030×1136mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1575kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:6498cc
●最高出力:740ps/8400rpm
●最大トルク:690Nm/5500rpm
●燃料タンク容量:90L
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:7速AMT
●タイヤサイズ:前255/30ZR20、後355/25ZR21
●当時の価格:4490万4433円

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