クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第106回は「フェラーリ ポルトフィーノ」だ。

フェラーリ ポルトフィーノ(2017-)

画像: ボディサイドのエアアウトレットやフェンダーのラインはカリフォルニアTと似ている。リアエンドはキックアップしたハイテールとなる。

ボディサイドのエアアウトレットやフェンダーのラインはカリフォルニアTと似ている。リアエンドはキックアップしたハイテールとなる。

2017年のフランクフルト モーターショーで、フェラーリはリトラクタブル ハードトップ(RHT)を採用した2+2クーペのニューモデル、「ポルトフィーノ(Portofino)」をワールドプレミアさせた。その名は、イタリアのリグーリア州リビエラにある、もっとも魅力的な街のひとつと言われるポルトフィーノに由来する。その優美なスタイルが、もっとも似合う街の名を選んだということだろうか。

ポルトフィーノは、カリフォルニアTの後継モデルにあたる。トランスアクスル式FRの駆動方式、2+2のシートレイアウト、V8ツインターボエンジン、そしてRHTを採用したオープンボディなど、基本構成はカリフォルニアTを踏襲している。ただし、シャシはカリフォルニアTのものから新設計され、部品点数はカリフォルニアTよりも40%も減少し、車重も約80kg軽くなっている。

サイズ的にはカリフォルニアTよりわずかに大きくなっているが、ほぼ変わらないレベル。ホイールベースは同じだ。デザインは社内のスタイルセンターが手がけている。LEDヘッドランプは少し横長となり、フロントグリルも広がってカリフォルニアTより精悍な顔つきになっている。カリフォルニアTとの最大の違いは、ハードトップを閉じたクローズド状態ではフラッグシップの812スーパーファストを彷彿とさせる美しいファストバックスタイルになることだ。

画像: センターダッシュには10.2インチのタッチスクリーン式モニターも備わる。7速DCTはステアリング奥のパドルでシフトする。

センターダッシュには10.2インチのタッチスクリーン式モニターも備わる。7速DCTはステアリング奥のパドルでシフトする。

フロントミッドシップ搭載されるエンジンは、カリフォルニアTのものをベースにしており、3855ccという排気量は変わらないが、ピストンやコンロッド、制御システムなどを変更し、最高出力は600psの大台に乗り、最大トルクは760ps。カリフォルニアTより40psと5Nmのアップが図られている。公称の最高速度は320km/h以上、0→100km/h加速は3.5秒と、カリフォルニアTより4km/hと0.1秒向上している。また、電動パワーステアリングを各種電子制御デバイスと統合させており、ダイナミックな走りも快適な走りも的確にサポートする。しかもアイドリングストップ機構を備え、EU複合モード燃費は9.5km/Lを達成している。

インテリアでは、10.2インチのタッチスクリーン画面を備えたインフォテインメントシステム、オープン時でも快適性を向上させるエアコン、新デザインのステアリング、18ウエイ電動アジャストのシート、そしてオープン時にキャビンに流入するエアを30%削減して風切り音を低減させるウインドディフレクターなど、快適装備も充実している。

クローズド時は美しいファストバックスタイルを楽しめ、ハードトップは車速が40km/h以下なら走行中でも開閉することができ、所要時間は約14秒。2+2だが4人乗車も可能で、オープン時でもラゲッジスペースは2人の小旅行用荷物くらいなら積載できる。ポルトフィーノは、あらゆるシーンに対応したオールラウンドなスーパー オープンスポーツカーと言えるだろう。

画像: クローズド状態では美しいファストバックスタイルとなる。RHTを採用したクーペ コンバーチブルでは前例のないものだ。

クローズド状態では美しいファストバックスタイルとなる。RHTを採用したクーペ コンバーチブルでは前例のないものだ。

フェラーリ ポルトフィーノ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4586×1938×1318mm
●ホイールベース:2670mm
●重量:1545kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●排気量:3855cc
●最高出力:600ps/7500rpm
●最大トルク:760Nm/3000-5250rpm
●燃料タンク容量:80L
●駆動方式:トランスアクスル式FR
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/35R20、後285/35R20
●当時の価格:2530万円

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