クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第114回は「ダラーラ ストラダーレ」だ。

ダラーラ ストラダーレ(2017年-)

画像: ダラーラ ストラダーレの「素」の状態は、このバルケッタ。ドアもサイドウインドーも、ウインドスクリーンもないシンプルなスタイル。

ダラーラ ストラダーレの「素」の状態は、このバルケッタ。ドアもサイドウインドーも、ウインドスクリーンもないシンプルなスタイル。

クルマ好きの中でも、モータースポーツが特に好き、という人なら「ダラーラ」の名を聞いたことがあるだろう。インディカーや日本のスーパーフォーミュラなどで、多くのレーシングカー用シャシを供給している、イタリアのレーシングコンストラクターだ。世界中の多くの自動車メーカーやレーシングチームが顧客であり、レーシングカーやハイパフォーマンスなロードカーの開発に関する専門的コンサルティング サービスの提供なども行っている。

そんなダラーラ アウトモビリが初めて手がけたロードモデルが、ここで紹介する「ストラダーレ」だ。ストラダーレとはイタリア語で「道」を意味し、まさに公道走行が可能なスポーツカーそのものといった車名だ。第1号車は2017年11月、創業者であるジャンパオロ・ダラーラの元に届けられた。

シャシとボディパネルにカーボンファイバーや複合材を用いたダラーラ ストラダーレの乾燥重量は、わずか855kg。基本のボディスタイルは、ドアはもちろんサイドウインドーはおろかフロントのウインドスクリーンもない、2シーターのバルケッタ スタイル。軽量化と高いボディ剛性を追求した結果、このシンプルだが美しいスタイルにたどり着いた。

だが、フロントウインドー、タルガフレーム、ガルウイング式に開くサイドウインドー、さらには大型のリアウイングといったパーツがオプションで用意されており、バルケッタ〜タルガトップ〜クローズドクーペと、好みのボディタイプに数分の作業でトランスフォームが可能だ。

画像: カーボンファイバーとエコレザーを用いたインテリア。ステアリングにはウインカーやライトなどのスイッチ類を内蔵している。

カーボンファイバーとエコレザーを用いたインテリア。ステアリングにはウインカーやライトなどのスイッチ類を内蔵している。

コクピット後ろのパワーユニットは、フォード製の直4 DOHCターボをダラーラでチューンしたものを横置き搭載。ミッションは6速MTが標準で組み合わされるが、オプションでパドルシフト付きロボタイズドATも設定されている。パワースペックは最高出力が400ps、最大トルクが500Nmと、スーパースポーツカーとしては控えめだが、前述のように軽量ボディのおかげで最高速度は280km/h、0→100km/h加速は3.25秒というパフォーマンスを発揮する。最高速度時にはダウンフォースは820kgにも達し、最大横加速度は2Gになるという。

インテリアも走るための機能性を重視したものだが、カーボンとエコレザーを用いた質感の高いもので、エアコンも装着している。シート後ろやエンジンルーム後方にはラゲッジスペースが備わり、思ったよりは実用性が高い。

ジャンパオロ・ダラーラは、スーパーカーの原点的存在であるランボルギーニ ミウラを開発したひとり。彼の「未来のミウラを作りたい」という言葉を具現化させたのが、このダラーラ ストラダーレだ。生産台数は限定600台と予定されている。

画像: シャシやボディパネルにはカーボンファイバーと複合材を採用し、乾燥重量は855kg(バルケッタ)におさえられている。

シャシやボディパネルにはカーボンファイバーと複合材を採用し、乾燥重量は855kg(バルケッタ)におさえられている。

ダラーラ ストラダーレ(バルケッタ)主要諸元

●全長×全幅×全高:4185×1875×1041mm
●ホイールベース:2475mm
●乾燥重量:855kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:2300cc
●最高出力:400ps/6200rpm
●最大トルク:500Nm/3000-5000rpm
●駆動方式:横置きミッドシップRWD
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:前205/40R18、後255/30R19
●当時の価格:2256万5000円〜

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