クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第129回は「日産 GT-R50 by イタルデザイン」だ。

日産 GT-R50 by イタルデザイン(2020年-)

画像: プロトタイプの数値で、ベース車より全長は94mm長く、全幅は91mm幅広いが、全高は54mm低い。市販バージョンも同じと思われる。

プロトタイプの数値で、ベース車より全長は94mm長く、全幅は91mm幅広いが、全高は54mm低い。市販バージョンも同じと思われる。

2019年、日産を代表するスポーツカー、GT-Rは前身であるスカイラインGT-Rから数えて生誕50周年を迎えた。その1年前の2018年、イタリアを代表するカロッツェリア、イタルデザインも創立50周年を迎えた。ほぼ同時期に50周年を迎えたことを記念して、日産とイタルデザインはGT-Rの50周年を記念したモデルを共同開発する。それが、今回紹介する「GT-R50 by Italdesign(イタルデザイン)」だ。

プロトタイプは、2018年7月にイギリスで開催されたグッドウッド フェスティバル オブ スピードでワールドプレミアされた。その後、日本でも東京 銀座の日産クロッシングや東京オートサロン2020などで展示されたので、実車を目にした読者諸氏も多いかもしれない。

「何の成約もなくGT-Rを作ったら、どうなるだろう?」というコンセプトから、最新のGT-R NISMOをベースにGT-R50 by イタルデザインは開発されていった。内外装のデザインは日産(ヨーロッパと北米)が手がけ、開発・設計・製作はイタルデザインが担当した。GT-R NISMOのシャシやメカニズムは継承しているが、最新のデジタルテクノロジーを用いて、さらなるパフォーマンスのアップを目指してボディデザインはモディファイされている。

画像: プロトタイプのエンジン。3.8LのV6ツインターボは、最高出力720ps/最大トルク780Nmにまでパワーアップされている。

プロトタイプのエンジン。3.8LのV6ツインターボは、最高出力720ps/最大トルク780Nmにまでパワーアップされている。

エクステリアでは、シャープなデザインのLEDヘッドランプ、ボンネット上のパワーバルジ、低いルーフラインとフロントフェンダー、そして可動式リアウイングなどが特徴的だ。プロトタイプの数値で、ベース車よりも全長は94mm長く、全幅は91mm幅広いが、全高は54mm低められている。ボディパネルも、ドアとルーフ、そしてボディの後半にはアルミニウムを採用。Aピラーから前にはカーボンファイバーを主に採用。エンジンフードもカーボンファイバー製に変更されている。

搭載されるパワーユニットは、GT-R NISMOに搭載されている最高出力600psと最大トルク652Nmを発生する3.8L(正確には3799cc)のV型6気筒 DOHCツインターボのVR38DETT型を、720psと780Nmにまでパワーアップされている。これ以外の詳細なスペックは公表されていない。

市販モデルは、ほぼプロトタイプと変わらないスタイルで2020年のジュネーブ モーターショーでワールドプレミアされるはずだった。だが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためショーは中止となり、お披露目も延期され、生産も一時停止していた。

5月20日、ようやく市販モデル第1号車がお披露目され、生産も開始された。生産台数は世界限定で50台。車両価格(税抜き、オプションは含まず)は99万ユーロ(約1億1600万円)からとなっている。オーナーは車両の仕様に応じて、GT-Rにインスパイアされたカラーリングを選択できる。ファーストロットのデリバリーは、2020年後半から2021年初頭にかけて行われる予定だ。

画像: リアウイングは可動式。丸型テールランプなどはベース車から継承されているが、リアウインドーはハッチゲートとなっている。

リアウイングは可動式。丸型テールランプなどはベース車から継承されているが、リアウインドーはハッチゲートとなっている。

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