2020年7月17日、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(以下、FCA)とプジョーS.A.(以下、グループPSA)は、対等合併にともなう新たな企業グループの名称を「ステランティス(STELLANTIS)」とすることを発表した。

商用車からプレミアムスポーツまで、多くのブランドを束ねる

2021年第1四半期をめどに、新たな自動車メーカーグループ「ステランティス」が誕生する。これを構成するのが、現在のFCAとグループPSAだ。2019年12月に両社による対等合併の合意がなされ、合併プロジェクトの完了に向けて、臨時株主総会における決算の承認や独占禁止法関連の確認作業などを進めている段階だという。

この合併が順調に進めば、四輪駆動車を主力として近年のSUVブームで好調なジープや、小型車を得意とするフィアットやプジョー、アメリカンビッグ3の一角クライスラー、スポーツカーブランド アルファロメオ、プレミアムスポーツブランド マセラティ、大衆車ブランド オペル、などといった幅広いジャンルをカバーするグループが誕生することになる。

画像: 今回発表されたステランティスのロゴ。ラテン語で「星たちとともに輝く」という意味を持つ。

今回発表されたステランティスのロゴ。ラテン語で「星たちとともに輝く」という意味を持つ。

しかし、自動運転や電動化をはじめとする次世代モビリティ技術の開発や、中国をはじめとするアジア市場での販売網など、これまで思うように進んでいなかった部分を補完するには足りないのではないかという指摘もある。今回の合併によってグループにおける世界販売台数の拡大・躍進だけでなく、技術面や販売面での相乗効果を生むことができるのかに注目が集まっている。

ちなみに今回発表されたステランティスという名称にはフィアットの頭文字「F」も、クライスラーとシトロエンの「C」も、プジョーの「P」も入っていない。「星たちとともに輝く」という意味をもつSTELLANTISというワードに、長い歴史のある自動車ブランドを統合することにより、次世代モビリティ社会におけるリーダーたらんとする意思を込めているという。

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