2020年8月14日、F1第6戦スペインGPのフリー走行1回目、2回目が快晴の下で行われ、1回目はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス、2回目は同じくメルセデスAMGのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはタイヤのパフォーマンスを確認しながら2回とも3番手につけた。

路面温度48度、タイヤにとってタフなレースになりそう

例年なら5月に開催されるスペインGPが今年は8月に行われることになり、これまでとは大きく違う展開となりそうだ。問題は週末の暑さがタイヤにどのような影響を及ぼすかで、各チームとも周回によるタイヤパフォーマンスの変化を探りながらの走行となった。

現地時間午前11時からのフリー走行1回目(FP1)は、各チーム、まずマシンのセッティング、タイヤのコンパウンドの違いを確認しながら走行を重ね、メルセデスAMGの2台がトップタイムをマーク、3番手に0.9秒差でフェルスタッペンがつけた。レッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボンは8番手、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは14番手、ダニール・クビアトは17番手だった。

午後3時から始まったフリー走行2回目は予選、決勝レースとほぼ同じ時間帯で行われるため、セッティング作業、データ収集に非常に重要なセクションになる。気温は午前中よりも上がり、路面温度はほぼ50度に達した。

このフリー走行2回目では、再びメルセデスAMGの2台がトップタイムをマーク。フェルスタッペンはここでも0.8秒差の3番手となり、ガスリーが10番手でともにトップ10入りとなった。アルボンは13番手、クビアトは15番手となったが、クビアトと全体5番手のタイム差はわずか0.5秒しかない。

予選、決勝レースはフリー走行2回目とほぼ同じコンディションで行われることになりそうで、このような気温・路面温度でどのようにタイヤを使うか、どのようにパワーユニットの力を発揮するかがポイントとなる。そんな中で、ホンダ勢が気温が上昇したフリー走行2回目でタイムを縮めていること、硬めのタイヤを重点的に試していたことが注目されている。

画像: フリー走行の天候と気温。予選、決勝と同じ時間帯で行われた2回目はかなり気温が上昇した。

フリー走行の天候と気温。予選、決勝と同じ時間帯で行われた2回目はかなり気温が上昇した。

予選とレースに向けて、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「スペインGP初日は、2月のプレシーズンテストの際とは気温や路面温度などのコンディションが大きく異なる状況での走行となりました。両チームとも特にロングランペースは悪くないと感じており、パワーユニットとしても大きな問題のない一日になりました。今週末は3日間を通して同じようなコンディションが予想されていますので、本日のショートラン、ロングランのデータを解析し、予選、決勝レースに向けて最適化を進めます」とコメント。ドライバーは次のように語っている。

マックス・フェルスタッペン

画像: マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、フリー走行1回目3位 1:17.724、フリー走行2回目3位 1:17.704。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、フリー走行1回目3位 1:17.724、フリー走行2回目3位 1:17.704。

「マシンのパフォーマンスはまずまずの手応えで、総合的にポジティブな初日になりました。1周だけのタイムアタック時は明らかにメルセデスには届かないように見えるのですが、レースで重要なロングランではマシンの調子がよさそうに感じています。先週のレースウイークと違い、今週は一番硬いコンパウンドのタイヤを使用しています。僕的にはもう少し柔らかめが好きなのですが、今回はチョイスにないようです。タイヤは扱いやすいのですが、ここは本当に暑くてたいへんです。予選もメルセデス勢が変わらずの速さを見せると思いますが、決勝はどうなるか誰も予想できないはずです。走行で手応えを感じることができたので、どのようなレースになるか今から楽しみです」

アレクサンダー・アルボン

画像: アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)、フリー走行1回目8位 1:18.606、フリー走行2回目13位 1:18.491。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)、フリー走行1回目8位 1:18.606、フリー走行2回目13位 1:18.491。

「フリー走行1回目ではマシンにとてもいい手応えを感じることができたので、正しい方向に進めていると思います。フリー走行2回目で試したことは思ったような結果にはなりませんでしたが、何が有効で何が無効かを見定める、それがレースウイークの金曜日ではないでしょうか。予選で最大のパフォーマンスを発揮できるようにデータの解析をしていきます。先週のシルバーストーンよりも、タイヤの摩耗度合いは幾分マシだった気がします。しかし48度もある路面温度の中でのレースはタイヤマネージメントが重要なカギとなるでしょう」

ピエール・ガスリー

画像: ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、フリー走行1回目14位 1:18.888、フリー走行2回目10位 1:18.312。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)、フリー走行1回目14位 1:18.888、フリー走行2回目10位 1:18.312。

「とても有益なレースウイーク初日になりました。周回を重ねながら、様々なテスト項目をこなすことができました。マシンに100%満足しているわけではなかったのですが、それでもフリー走行2回目ではトップ10に入ることができました。しかし、先週末のように、ちょうどいいマシンのバランスが感じられないでいます。予選でいいグリッドを獲得するために、マシンのバランスとパフォーマンスの向上をするべく、少し改善をして明日を万全に迎えたいと思います」

ダニール・クビアト

画像: ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、フリー走行1回目17位  1:19.145、フリー走行2回目15位 1:18.642。

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)、フリー走行1回目17位  1:19.145、フリー走行2回目15位 1:18.642。

「今朝のセッションではトラブルなく走ることができ、実りのあるレースウイークの初日になりました。フリー走行1回目の序盤に走ることができなかったのは残念ですが、フリー走行2回目で遅れを取り戻すことができました。今日得たデータを集約して、予選は自信を持って挑めそうです。現状のマシンの状況を理解し、トップ10入りを目指してコンマ数秒の差を縮めるべく、今夜チームと共に解析に努めます」

一方、タイヤを供給するピレリは「午後のトップタイムはルイス・ハミルトンがマークしましたが、午前中にボッタスが記録した最速タイムを破ることはできませんでした。タイヤコンパウンドの違いによるタイム差は予想通りでした。ソフトとミディアムの間に明確なタイム差があるためソフトタイヤを中心に使うことになると思いますが 、各チームはすべての異なるコンパウンドを燃料の重さを変えながら試しているように、タイヤの使い方はいろいろなことが考えられるでしょう。おそらくソフトタイヤを使用する2ストップが主流となると思われますが、ミディアムタイヤでQ2をクリアするチームも出てくることでしょう」と分析している。

画像: 各タイヤのベストタイム。ソフトタイヤのタイム差は大きいが、気温が上がったときのタイムの落ちが気になるところ。

各タイヤのベストタイム。ソフトタイヤのタイム差は大きいが、気温が上がったときのタイムの落ちが気になるところ。

予選は8月15日15時(日本時間22時)、決勝は8月16日15時10分(日本時間22時10分)から始まる。

2020年 F1第6戦スペインGP フリー走行1回目結果

1位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:16.785
2位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG) 1:16.824
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:17.724
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ) 1:17.970
5位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) 1:17.981
6位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ) 1:18.291
7位 7 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス) 1:18.471
8位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ) 1:18.606
9位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) 1:18.620
10位 18 L.ストロール(レーシングポイント・メルセデス) 1:18.643
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14位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ) 1:18.888
17位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ) 1:19.145

2020年 F1第6戦スペインGP フリー走行2回目結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:16.883
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG) 1:17.170
3位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:17.70
4位 3 D.リカルド(ルノー) 1:17.868
5位 8 R.グロージャン(ハース・フェラーリ) 1:18.133
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:18.147
7位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー) 1:18.214
8位 7 S.ペレス (レーシングポイント・メルセデス)1:18.293
9位 31 E.オコン(ルノー)1:18.303
10位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)1:18.312
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13位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)1:18.491
15位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)1:18.642

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