「空力、軽量、高剛性」を追求した車両パッケージ
GRヤリスは、トヨタ GAZOOレーシング ワールドラリーチームに学んだ「WRCで競争力あるクルマづくり」などによって「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生した。モータースポーツ用の車両を市販化する、という逆転の発想で開発した、トヨタ初のモデルだ。
東京オートサロン 2020でワールドプレミアされ、今回のラインアップ発売前に限定モデルをWebで先行予約を受け付け、6000台以上の受注があった。2020年6月にラインアップは発表されていたが、今回、車両価格も発表され発売が開始された。
ノーマルのヤリスをベースに、アッパーボディではエンジンフード、バックドア、ドアパネルにアルミニウム素材を採用し、ルーフパネルにはSMC(シート モールディング コンパウンド)工法で成形されたCFRP素材を採用。ボディ形状は3ドアとし、軽量化を図りながら優れた空力性能も示し、前後のサスペンション セッティングも最適化されている。
カタログモデルとして発売されたのは、以下の3グレードだ。
■RZ:卓越した走行安定性、圧倒的な加速と気持ちの良いエンジン回転数の伸びを体感できる高出力モデル
新開発の小型軽量ハイパワー1.6L 直3インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」を搭載。駆動方式は、多板クラッチによる前後駆動力可変システムを採用した新開発スポーツ4WDシステム「GRーFOUR」。6速MTにはインテリジェント マニュアルトランスミッションの「iMT」を採用。
より限界性能を高めた、RZ ハイパフォーマンスも設定し、このモデルには冷却スプレー機能付き空冷インタークーラー、トルセンLSDの前後デフ、BBS製鍛造アルミホイールにミシュラン パイロットスポーツ4Sタイヤを標準装備する
■RS:誰もが気軽にGRヤリスの走りを楽しめるモデル
1.5L 直3のダイナミックフォースエンジン「M15AーFKS」を搭載したFFモデルで、トランスミッションは10速シーケンシャルシフトマチックのバドルシフト付きダイレクトシフトCVTを組み合わせる。
■RC:モータースポーツへの参戦など、そのベース車としてカスタマイズに最適なモデル
RZをベースに、走りに必要な装備以外は極力排除しているが、パワートレーンはRZから継承。車両重量は、RZより30kg軽い。ラリー用小径タイヤの装着を考慮して16インチのベンチレーテッドディスクブレーキを備える。
グレードと車両価格(税込)は、以下のとおり。
■GRヤリス
RS(1.5L/FF/ダイレクトシフトCVT):265万円
RC(1.6Lターボ/4WD/6速MT):330万円
RZ(同):396万円
RZ ハイパフォーマンス(同):456万円
販売目標台数は、月間1100台。製造は、数々のスポーツモデルを生産してきた元町工場に、専用ライン「GR ファクトリー」を新設して、「匠」の技能を持った従業員が開発で目指した性能を作りこむという。
また、今回のGRヤリスの発売に合わせて、その魅力を最大限に引き出すカスタマイズパーツ「GR パーツ」も設定され、フロントバンパースポイラー、カーボンナンバーフレーム、機械式LSDなどが用意されている。
GRヤリス RZ(RS) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1805×1455mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1280kg(1130)
●エンジン形式:直3DOHCターボ(直3DOHC)
●排気量:1618cc(1490)
●最高出力:200kW<272ps>(88<120>)
●最大トルク:370Nm<37.7kgm>(145<14.8>)
●トランスミッション:6速MT(CVT)
●駆動方式:4WD(FF)
●タイヤ:225/40R18
●車両価格:396万円(265万円)