2008年、シトロエンC5がフルモデルチェンジされ、2代目となってデビューした。2007年のフランクフルトショーでクーぺカブリオレのコンセプトカー「C5 Airscape」を公開し、翌2008年のブリュッセルモーターショーでセダンを、ジュネーブオートサロンでツアラーをワールドプレミアした。周到な計画の下に登場した2代目シトロエンC5はどんなモデルだったのか。ここではポルトガル・リスボンで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年5月号より)
ちなみに、ゆとりの動力性能を求めたいのであれば、やはり選ぶべきは6速ATとの組み合わせを実現させた3Lモデル。4速ATとの組み合わせになる2Lモデルは、より軽快なハンドリング感覚を入手というプレゼントがある一方、動力性能面では時にやや辛い局面もあった。緩やかな加速時でも70km/hにまで達しないと4速ギアへとアップシフトせず、逆に減速時には35km/hまで落ちると早くも2速にダウンシフトしてしまうという高速型のシフトプログラミングは、日本の街中ではうっかりすると大部分を2速あるいは3速ギアで走らざるを得ないのもちょっと辛いところではある。
見るからに新しくなったC5の大きな魅力は、やはり独特の走りの質感にあると言えそう。ちょっと没個性なルックスに「どうしてもシトロエンらしい魅力に欠ける」という声の聞かれた従来型に比べれば、その商品力のアップは歴然だ。(文:河村康彦/Motor Magazine 2008年5月号より)
シトロエン C5 3.0i V6 主要諸元
●全長×全幅×全高:4779×1860×1451mm
●ホイールベース:2815mm
●車両重量:1725kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2946cc
●最高出力:215ps/6000rpm
●最大トルク:290Nm/3750rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速AT
※欧州仕様