現在判明している情報ではエンジン出力と足まわりの強化だ。8代目ゴルフRの搭載エンジンは、2L直列4気筒直噴ターボで、概要は7代目ゴルフR搭載エンジンと変わらない。しかし最高出力は320ps(7代目は310ps)、最大トルクは420Nm(7代目は400Nm)に引き上げられた。
0→100km/h加速の性能は4.7秒で、2016年のマイナーチェンジ後の7代目ゴルフRに0.1秒遅れをとる。しかし、ニュルブルクリンクの北コースでは7分51秒を記録し、19秒もラップタイムを縮めた。これはエンジンパワー、とくに最大トルク増大の恩恵によるものなのだろうか。
8代目ゴルフRで注目されるもうひとつの特徴、足回りの強化をなくしてニュルブルクリンクのラップタイム19秒短縮は達成できない。8代目ゴルフRは従来モデル同様、フルタイム4WDシステム「4モーション」が搭載される。ここに新たに「Rパフォーマンス トルク ベクタリング」が追加された。
これは道路や運転状況に合わせ、リア左右輪へ伝達するトルクを適切に調整するシステムだ。Rパフォーマンス トルク ベクタリングを備えた最新の4モーションの恩恵はコーナリング時の敏捷性に現れ、ニュルブルクリンク北コースのラップタイム短縮の立役者のひとつになっている。また、4モーションはビークル ダイナミクス マネージャー(VDM)を介して電子デフロック(XDS)、アダプティブシャーシコントロールのDCCなどの機器とも緊密に連携し、車両の動力性能向上の一助となっている。
ささやかな相違点だが、リアゲートにあるフォルクスワーゲンエンブレムの下に「R」のメッキエンブレムが装着される。これも従来モデルとの違いだ。
8代目ゴルフRは車両内の各種システムがネットワーク化され、高度なドライビングパフォーマンスを実現している。日本に導入される日を首を長くして待ちたい。(文:猪俣義久)