2008年1月のデトロイトショーでデビューしたBMW X6。「SUVクーぺ」という新しい発想から生まれたモデルだ。北米市場を中心にビッグサイズのプレミアムSUVの人気は高まっていたが、その斬新なスタイリングはどのように受け入れられたのか。今回はアメリカ・サウスカロライナで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine2008年6月号より)

X6のドイツにおける価格はトップモデルのX6 xDrive 50iが7万3800ユーロ(約1190万円)、X6 xDrive 35iが5万6800ユーロ(約910万円)、そしてディーゼル搭載のX6 xDrive 30dは5万5800ユーロ(約895万円)、そしてX6 xDrive 35dは6万1800ユーロ(約990万円)と、当然ながらX5よりは高い設定となっている。しかし、それにもかわわらずX6のドイツでの前評判は上々で、今年の販売予定台数は既に売り切れており、今から注文しても納車は来年になってしまう。

確かにこのX6でもBMWの主張する環境サポートシステム、エフィシエントダイナミクスが採用されており、ブレーキエネルギー回生、転がり抵抗の低いタイヤなどのお陰で407psバージョンの燃費は欧州方式で100kmあたり12.5L(8.0km/L)と、ライバルよりずっと優れている。

しかし、ドイツでは来年以降、CO2税の導入が予定され、さらに4年後の2012年にはフリート燃費規制で、こうしたクルマは間違いなく課徴金が要求され、価格の上昇は避けられなくなる。そんなわけでこの手のクルマがあと何年、大手を振って走れるかはちょっと疑問ではある。

X6はもちろん日本へも今秋から輸出が始まるが、その期日と価格はまだ発表されていない。(文:木村好宏/Motor Magazine 2008年6月号より)

画像: なだらかに傾斜するCピラーのラインが実に美しい。SUVクーペという新しいジャンルができたと言っていいだろう。デザインが斬新なだけでなく、xDriveが進化しているところもポイントだ。

なだらかに傾斜するCピラーのラインが実に美しい。SUVクーペという新しいジャンルができたと言っていいだろう。デザインが斬新なだけでなく、xDriveが進化しているところもポイントだ。

ヒットの法則

BMW X6 xDrive 50i 主要諸元

●全長×全幅×全高:4877×1983×1690mm
●ホイールベース:2933mm
●車両重量:2265kg(EU)
●エンジン:V8DOHCツインターボ
●排気量:4395cc
●最高出力:407ps/5500-6400rpm
●最大トルク:600Nm/1750-4500rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:6速AT
●最高速:250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:5.4秒
※欧州仕様

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