圧倒的なリードから衝撃的な結末に
トップと2番手の差は圧倒的だと思われたが、レース終盤50周を過ぎたあたりから急速に縮まり始める。しかし追いつくには周回数が足らず64周終了時点で両車の差は約3秒。ファイナルラップを迎え37号車KeePer TOM'S GR Supraの勝利と平川のタイトル獲得は確実なものと思われた。しかし最終コーナーを立ち上がった37号車スープラが突然のガス欠症状、ゴールまであと数百メートルのところで100号車RAYBRIG NSX-GTに交わされてしまう。トップチェッカーは100号車、これによりRAYBRIG NSX-GTの勝利と、山本/牧野のシリーズタイトルが決定した。
さようなら、そしてありがとう
1994年から26年間に渡ってチームKUNIMITSUと共にレースを戦ってきた「RAYBRIG」、スタンレー電気が2021年3月をもって同ブランドを終了させることにより、RAYBRIG NSX-GTもこのレースをもって最後になる。この劇的な逆転勝利でまさに有終の美を飾ることになった。そして100号車NSXもチェッカー後のウィニングランでガス欠ストップするといった極限状態のチャンピオン争いは、スーパーGT史上最高のドラマとして名を残すことになるだろう。尚、来期以降もチームは参戦を続けるが、スポンサー支援については発表していない。
GT500クラス 決勝結果
1位 100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2位 37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太)
3位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
4位 17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
5位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
6位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
7位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
8位 38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
9位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
10位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
11位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
12位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)
13位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーテンボロー)
14位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
GT500クラス ドライバーズランキング(Best10)
1st 山本尚貴/牧野任祐(100号車 RAYBRIG NSX-GT)69pt
2nd 平川亮 (37号車 KeePer TOM'S GR Supra)67pt
3rd 塚越広大/ベルトラン・バゲット(17号車 KEIHIN NSX-GT)59pt
4th 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(36号車 au TOM'S GR Supra)56pt
5th 野尻智紀/福住仁嶺(8号車 ARTA NSX-GT)54pt
6th 松田次生/ロニー・クインタレッリ(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)51pt
7th 大嶋和也/坪井翔(14号車 WAKO'S 4CR GR Supra)47pt
8th ニック・キャシディ (37号車 KeePer TOM'S GR Supra)46p
9th 中山雄一(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)42pt
10th 立川祐路/石浦宏明(38号車 ZENT GR Supra)40pt
写真:井上雅行(MM)