「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「マツダ アクセラ」だ。

カタログで見る以上に大がかりな変更を受けた結果、走りは期待どおり。ひと口に言えば昔ながらのFFターボを、現代風にアレンジしている。ストロークの大きなシフトも古めかしいが、ひと吹かしすると低回転ではシュワッとターボ独特の吸気音によってインパクトは十分。大型タービンらしく本格的な立ち上がりはやや遅れるものの、3000rpmを境に一気に加速感を増す。6500rpmでシフトアップするとパワーの落ち込みはなく、エンジン回転がシュンと跳ね上がるのに合わせてスピードもアップしていく。

加速中は常にステアリングがセンター付近にグッと寄せられる感があって、いかにもFF的だが、ラインの乱れは少ない。グイグイとフロントを引っ張っていってくれるぶんだけアクセルに対する応答もよく、狙ったラインをスロットルで微妙にコントロールしていける。

リアの接地感が高まったことで限界付近の動きも穏やかになり、FFスポーツらしい走りを忠実に実現している。乗り心地は硬めで排気音も大きめだが、突き上げ感が先代より緩和された点は評価できる。

環境性能も大事だが、走りの楽しさを振り返ってもらえる意味ではとてもよくできている。ラゲッジスペースにはゴルフバッグが横には入らないが、昔ながらのターボの刺激とFFスポーツハンドリングの楽しさは、代えがたいものがあった。

画像: 最大のライバルは、フォルクスワーゲンのゴルフGTIか。トータルバランスでは、まだゴルフGTIのほうが上のようだ。

最大のライバルは、フォルクスワーゲンのゴルフGTIか。トータルバランスでは、まだゴルフGTIのほうが上のようだ。

This article is a sponsored article by
''.