2007年9月のフランクフルトでのショーデビュー、2008年2月のモナコでの国際試乗会を経て、2008年4月に初代ジャガーXFが日本に上陸した。伝統とモダンを融合させながら、ジャガーは生まれ変わろうとしていたが、その新しい「ジャガーネス」とはどういうものだったのか。今回はその試乗記を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine2008年6月号より)

肝心のV6エンジンとの相性はどうかといえば、重量バランスには優れていると思われる。ハナ面の動きに厭味がなく、かといって軽いということもない。ただ、全体的にパワー不足の感が否めない。これでもう500cc排気量をアップさせればパーフェクトだ。

4.2L自然吸気では、なぜか数字ほどの満足度が得られなかった(それゆえV6の存在がクローズアップされる)。確かにトルクは十分で、V6で不満だった発進加速も申し分ない。けれども、V8に期待するパンチの効いたパワフルさがまるでない。美点としてはチューニングされたサウンドが素晴らしいことだ。

スーパーチャージャー付きなら文句ナシだ。独特の作動音は耳障りだが、それも相まっての迫力がある。発進、追い越し、いずれの加速もXKRのおよそ1割減といった過激さ。SV8のみに装備されるドライブコントロール/ダイナミックモードを選んで走れば、シフトチェンジも素早く、トラック仕様DSCとアダプティブダンパーを駆使して、極めてスポーティな走りを、安全性を担保しつつ提供してくれる。ピレリPゼロ20インチタイヤも、乗り味よく、きっちり履きこなしていた。

紳士も時には過激に走りたい。スポーツサルーンの新しいスタンダードが誕生したと私は断言する。(文:西川淳/Motor Magazine 2008年6月号より)

画像: インテリアは極めて高品位。各操作系もドライバーの直感的なコントロールを可能とする設計。

インテリアは極めて高品位。各操作系もドライバーの直感的なコントロールを可能とする設計。

ヒットの法則

ジャガーXF 3.0プレミアムラグジュアリー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4970×1875×1460mm
●ホイールベース:2910mm
●車両重量:1750kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2967cc
●最高出力:243ps/6800rpm
●最大トルク:300Nm/4100rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速AT
●車両価格:760万円(2008年)

ジャガーXF 4.2プレミアムラグジュアリー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4970×1875×1460mm
●ホイールベース:2910mm
●車両重量:1800kg
●エンジン:V8DOHC
●排気量:4196cc
●最高出力:304ps/6000rpm
●最大トルク:421Nm/4100rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速AT
●車両価格:870万円(2008年)

ジャガーXF SV8 主要諸元

●全長×全幅×全高:4970×1875×1460mm
●ホイールベース:2910mm
●車両重量:1900kg
●エンジン:V8DOHC+SC
●排気量:4196cc
●最高出力:426ps/6250rpm
●最大トルク:560Nm/4000rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:6速AT
●車両価格:995万円(2008年)

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