「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「日産 スカイライン クロスオーバー」だ。

ハンドリングもSUVであることを一瞬忘れさせるほど軽快だ。ボディのオーバーアクションやステアリングのゆるい感覚がまったくなく、反応は鋭い。それでいて乗り心地も秀逸だ。入力のいなしが実にしなやかで、ドタバタした粗さと無縁なその走りは、ほとんど背の高いスポーティサルーンのようだ。

ミドルサイズのプレミアムSUVは世界的に盛り上がりを見せており、いち早く登場したBMW X3の先行を許すまじと、アウディ Q5、ボルボ XC60などが続々と参入している。スカイライン クロスオーバーは、ご存知のように海外ではインフィニティ EXとして販売しされているわけで、このマーケットに比較的早く参入した1台。しかも、そのルックスと走りは前述のライバルたちに引けをとらない。

さらに、車線からの逸脱に対しブレーキ制御でヨーを出し車線内に引き戻すレーン ディパーチャー プリベンション(LDP)も設定され、これはちょっとした脇見で進路が乱れた時などにかなり有効だし、音声にしたがってステア操作すれば車庫入れや縦列が一発で決められる駐車ガイド機能付きのアラウンドビューモニターも使いやすい。こうした装備面に「いかにも日本的」な先進技術を盛り込んでいる点にも注目しておきたい。

画像: クーペとSUVを融合したスタイリング。そのため、リアシートのヘッドスペースはサイズの割りには少し狭いかもしれない。

クーペとSUVを融合したスタイリング。そのため、リアシートのヘッドスペースはサイズの割りには少し狭いかもしれない。

■スカイライン クロスオーバー 370GT Four タイプP 主要諸元

●全長×全幅×全高:4635×1800×1575mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1830kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3696cc
●最高出力:243kW<330ps>/7000rpm
●最大トルク:361Nm<36.8kgm>/5200rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:9.1km/L
●タイヤ:225/55R18
●当時の車両価格<税込み>:499万8000円

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