2020年12月3-6日、WRC(世界ラリー選手権)最終戦となる第7戦ACIラリー・モンツァがイタリア・ミラノ近郊のアウトドローモ・ナツィオナーレ・モンツァを起点に開催され、トヨタのセバスチャン・オジェが優勝。シーズン2勝目を飾るとともに自身7度目のドライバーズタイトルを獲得した。2位、3位にはヒュンダイのオィット・タナック、ダニ・ソルドが入り、ヒュンダイが2年連続のマニュファクチュアラーズ選手権王座を決めている。

ポイントリーダーのエバンス無念、オジェが大逆転で7冠目獲得

10月になって急遽最終戦としてWRCカレンダーに組み込まれることになったラリー・モンツァは、F1グランプリで有名なモンツァ・サーキットを拠点にし、木曜日と金曜日がモンツァのバンクを含む舗装路とアクセスロードの未舗装路をシケインやパイロンスラロームで複雑に繋いだ特設ステージ、土曜日がサーキットを離れてロンバルディア州の山岳ステージ、日曜日に再びモンツァの特設ステージというコース構成で行われた。

勝負どころは土曜日の山岳ステージだったが、ここでポイントリーダーのエルフィン・エバンスが悪夢に見舞われた。

ラリーの半ばとなる土曜日の午前中までのエバンスは、ライバルたちが大なり小なりのミスを犯すなかで、まったくのノーミスで3番手をキープする堅調な走りを見せていた。

前戦までにチームメイトのオジェに14点の差をつけているため、エバンスにとって圧倒的に優位な状況だったが、午後になって雨から雪へと変わった天候に足もとをすくわれた。 

SS11後半、突然の路面グリップ変化にヤリスWRCはスライド、エバンスに成す術はなく崖下に転落してしまう。これでエバンスはデイリタイアとなり、ドライバーズタイトルの行方はチームメイトのオジェの結果次第になった。

だが、SS9で首位に立っていたオジェは百戦練磨。転がり込んだ千載一遇のチャンスを逃すはずはなく、最終日も慎重に残るステージを走りきって、7度目の栄冠を手にすることになった。

手に入りかけていた初戴冠を逃したエバンスは「突然、新雪の下の路面でグリップレベルが急変したと感じた時はもう遅く、コントロールを失ってどうすることもできなかった。もちろん自分自身もがっかりだけど、マニュファクチャラーズ選手権を争っているチームにもミスですごく迷惑をかけることになって申し訳ない」と気丈にコメント。

一方、大逆転で王座を決めたオジェは「すごく難しい週末だった。エルフィンにはすごく気の毒な結果になったけど、これもこのゲームの一部だ。今は素晴らしいクルマを用意してくれたチームに感謝している。シーズンを通して安定していて、パフォーマンスも素晴らしかった」とチームメイトを気づかってか、静かに喜びを表した。

画像: 逆転で7度目のドライバーズタイトルを獲得したトヨタのセバスチャン・オジェ。

逆転で7度目のドライバーズタイトルを獲得したトヨタのセバスチャン・オジェ。

This article is a sponsored article by
''.