2008年、メルセデス・ベンツのパーソナル4ドアクーペのCLSと2ドアクーペのCLがマイナーチェンジを受けて登場した。その変更は相当に力の入ったもので、オーストリアのウイーンでメルセデス・ベンツのクーペファミリー全員集合とも言える国際試乗会が開催されている。ここでは進化したCLSとCLを中心に、その試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年7月号より)

マイナーチェンジを機にCLS280とCLS350CGIを設定

メルセデス・ベンツは先ごろ、オーストリアのウイーンでクーペファミリー全員集合とも言えるイベントを開催した。注目は最近マイナーチェンジを行ったCLSとCL、そして後者に加わった4WDモデルCL500 4MATICのお披露目であった。

メルセデス・ベンツの中でも革新的なデザインを持ったCLSは、2003年のフランクフルトモーターショーで「ビジョンCLS」として登場した。クーペのような低く後方に流れるルーフラインと、極端に小さいサイドウインドウ、そして前後が強烈に絞り込まれたボディなどは、メルセデスとしては珍しく好き嫌いがはっきりしたデザインであった。しかし、それにもかかわらず全般に評判は非常に良く、メルセデス・ベンツはその翌月には、発売を開始したほどである。

その人気モデルであるCLSが、5年目にしてマイナーチェンジを受けた。デザイン的なもっとも大きな変更点はフロントで、グリル内にあるルーバーが4本から2本に変わっている。また、その下のエアインテークの形状も、下方へワイドに広がり、安定感を感じさせるデザインとなった。

またサイドに回ると、法規制で32%面積の大きくなったドアミラーに、LEDを採用した矢印のようなライトが設けられていることがわかる。さらに、新しいデザインのホイールがプロフィールに新鮮なアクセントを与えている。

一方、絞り込まれたリアエンドには、LEDを採用したコンビネーションライトが並び、さらに新しいロゴ、そして断面が台形になったゾーストパイプがインテグレートされたリアフィニッシャーで、これまでのモデルとの差を付けている。

また、インテリアにはマルチファンクション仕様の3本スポークスポーツステリングホイールが与えられ、新鮮な印象が醸し出されている。新しいデザインのメータークラスター、そしてダッシュボードの素材のクオリティは以前のモデルよりもずっと向上しているのがわかる。さらにiPodを始めとする様々なメディアに対応可能な端子、そしてSDカードスロットなど、今後さらにポピュラーになるであろうカーインフォーテインメントに対応するようになっている。

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