「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「フェアレディZ ロードスター」だ。

ただし、ボディがガチッと硬い分、旋回速度を増してくると、サスペンションが最後まで受け止めようとするために、沈み込み感に限界がある。そこがステアフィールを軽く感じさせるポイントでもある。もう少しロール感が欲しいが、それだけボディが強くできていて、乗り心地に貢献しているとも考えられる。

3.7LのV6 DOHCは336psと37.2kgmをいうハイパワーでスポーツ色をアピールしている。しかも、高回転域までパンチがある。

果たして、フェアレディZ ロードスターはポルシェ ボクスターに追いついたのだろうか。ボクスターはひとつのクルマの集大成としてバランスされているように思えたが、Zはエンジンやボディといった、個々の性能の高さが持ち味といえる。

クルマとしてのバランスの良さでは、Zはまだボクスターに追いついていない感もあるが、Zは量産スポーツカーとして多くの人に愛されることを狙っている。つまり、Zは速く、リーズナブルに、誰にでも乗れるというスタンスを貫く、日本が作るスポーツカーの代表といえる。

トータル性能では、Zロードスターはボクスターを上回っているとはまだ言えないが、街乗りから気楽に乗れること、そして価格面でも日本では100万円以上も安いことはやっぱり魅力だ。誰にでも乗れるという意味ではオススメしやすいし、しかも安心して乗り続けられるだろう。

画像: オープンでもクローズでも美しくを目指してデザインされたソフトトップの色は写真のボルドーのほか、ブラックも全ボディ色で選択できる。

オープンでもクローズでも美しくを目指してデザインされたソフトトップの色は写真のボルドーのほか、ブラックも全ボディ色で選択できる。

■フェアレディZ ロードスター バージョンST 主要諸元

●全長×全幅×全高:4250×1845×1325mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1550kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3696cc
●最高出力:247kW<336ps>/7000rpm
●最大トルク:365Nm<37.2kgm>/5200rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:9.5km/L
●タイヤ:前225/50R18、後245/45R18
●当時の車両価格<税込み>:498万7500円

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