「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「レクサス LS」だ。

ただ、リラックスしてゆっくりと流している時や日常的な無造作な操作に対しては物足りなさを感じることがある。とくに初期の動きとそのタッチだ。ステアリングは相変わらずセンター付近が曖昧で少し締まりがない。重さはあるのに、その重さに反映される応答が感じられないのだ。

ブレーキも強く踏み込めば6ポットならではのしっかり感とGの立ち上がりがリンクするのだが、軽く踏んだときは始めの効きが弱く、タッチも物足りない。クルマの動き自体も初期がちょっとつかみずらく、グラッと動く。

そのぶん、走りのサルーンを主張するクルマ特有の重さや硬さがなく、レクサスらしいのは確かな美点だ。乗り心地もカドがなく快適さを失っていないのも魅力ではある。だが、それはLSの他グレードと大きくは変わらない印象でもある。それならば、タイヤ&ホイールやアンダースポイラーなどの見た目の演出だけではなく、その効果をもう少し日常でも実感したかった。

レクサスのフラッグシップであるLSにふさわしいスポーツバージョンとして、今後の進化に期待したいところだ。

画像: 写真では少し分かりにくいが、前後ともアンダースポイラーを装備して空力性能も向上させている。

写真では少し分かりにくいが、前後ともアンダースポイラーを装備して空力性能も向上させている。

■レクサス LS460 バージョンSZ「I パッケージ」主要諸元

●全長×全幅×全高:5060×1875×1465mm
●ホイールベース:2970mm
●車両重量:2020kg
●エンジン種類:V8 DOHC
●排気量:4608cc
●最高出力:283kW<385ps>/6400rpm
●最大トルク:500Nm<51.0kgm>/4100rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:8.2km/L
●タイヤ:245/45R19
●当時の価格(税込み):945万円

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