「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「レクサス LS」だ。
レクサス LS460(2009年:マイナーチェンジ)
快適性能にかけては世界のサルーンが手本にしているといっても過言ではない、レクサス LS。そのLSが、今年(編集部註:2009年)も進化した。それも比較的大がかりなマイナーチェンジといえるだろう。レクサスはイヤーモデル制度を採用しており、今回の年次改良の話題は、なんと言っても走りのこだわりを注入したスポーツグレード「SZ」の追加だろう。
ダンパーやスタビライザーを専用チューニングしたサスペンションや、ブレンボ製のブレーキの採用、BBS製ホイールや245/45R19サイズのタイヤを履くなど、フラッグシップ サルーンとは思えないほどの大胆さが持ち味だ。
さっそく乗り込んで、エンジンをかけてみる。アイドリング領域では、いつものLSと同じ静けさが保たれているが、加速時にはすっきりとしたサウンドを聞かせてくれる。いままでのLSよりは、エンジンが少し元気なイメージが伝わってくる。ステアリングの後ろには目立たぬようにパドルシフトもレイアウトされており、8速ATを小刻みに選択することができる。
こだわりの走りは、確かにロールが抑えられボディが浮き上がる感じがなくて好印象だ。とくに大きな入力を与えていったとき、グッと4輪に力が加わって踏ん張り、重厚さと落ち着きが与えられている。エアサスペンションを装着していながら、従来の低速でのポコポコと上下する感じも収まっており、ボディは基本的にフラットで安定している。