2020年10月15日、スバルのスポーツワゴン「2代目レヴォーグ」が正式発表された。2014年6月以来、6年ぶりとなるフルモデルチェンジでレヴォーグはどう変わったのか。従来モデルと比較しながらその内容を見てみよう。

デザインはキープコンセプトだが、すべてが刷新された

「より遠くまで、より早く、より快適に、より安全に」というスバルのグランドツーリングの DNA を受け継ぐレヴォーグが、2016年6月のデビュー以来、初めてのフルモデルチェンジを行った。

この新型、8月20日から始まった先行予約では8290台のオーダーを獲得、10月15日の発売前から注目を集めていた。さらに、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、多くのモータージャーナリスト達からも高い評価を獲得、その実力は早くも折り紙付きとなっている。

今回は新旧レヴォーグを比較することで、2代目となった新型レヴォーグの魅力を探ってみたいと思う。

画像: 新型のデザインは正常進化と言えるもの。先代のイメージを継承しながら、躍動感、力強さを増している。

新型のデザインは正常進化と言えるもの。先代のイメージを継承しながら、躍動感、力強さを増している。

ボディサイズ(全長×全幅×全高/ホイールベース)は、先代が4690× 1780× 1490mm /2650mm(2.0STIスポーツ アイサイト)なのに対し、新型は4755× 1795× 1500mm /2670mm(STIスポーツ)と拡大されている。

搭載されるエンジンが異なるなど単純な比較はできないが、参考までに先代2.0STIスポーツ アイサイトの車両重量が1570㎏に対し新型STIスポーツは1580㎏で、新型エンジンや5代目インプレッサから導入されたSGP(スバルグローバルプラットフォーム)の採用などにより効果的な軽量化が図られており、装備が充実されているものの実質的な重量増には至っていない。

画像: 全長は65mm、ホイールベースは20mm大きくなったが、依然として取り回しのしやすいサイズをキープしている。

全長は65mm、ホイールベースは20mm大きくなったが、依然として取り回しのしやすいサイズをキープしている。

新型のモデル構成は「GT」「GT-H」「STIスポーツ」の3タイプで、各モデルに「アイサイトX」標準装備の「EX」(+35万円)が用意されている。

エンジンは、先代では1.6Lと2.0Lの2タイプの直噴ターボ「DIT」をラインアップしていたが、新型では新開発の1.8L直噴ターボ「DIT」のみの搭載となった。このエンジンは日常での使いやすさを重視して、1600〜3600rpmの回転域で最大トルクの300Nmを発生。CVTとの組み合わせでSTIスポーツがWLTCモード13.6km/L、GTは13.7km/Lを実現している。使用燃料はレギュラーガソリンだ。

新型スバル レヴォーグ  車両価格(税込み)2020年10月発表 

GT:310万2000円
GT EX:348万7000円 
GT-H:332万2000円 
GT-H EX:370万7000円 
STI スポーツ :370万7000円 
STI スポーツ EX:409万2000円

従来型スバル レヴォーグ 車両価格(税込み) 

1.6 GT アイサイト:294万8000円
1.6 GT-S アイサイト:316万8000円 
1.6 STI スポーツ アイサイト:366万3000円 
2.0 GT-S アイサイト:371万8000円 
2.0 STI スポーツ アイサイト:415万8000円 

エクステリアデザインは先代のフォルムを踏襲しながらも、新デザインコンセプト「BOLDER」の採用により、「レヴォーグが持つ個性をより大胆に際立たせ、意のままにコントロールする愉しさや先進性を表現」したという。立体的かつワイドなヘキサゴングリルや精悍なイメージのヘッドランプ、リアにかけシャープなラインを描くガラスエリア、やはりシャープな印象を持たせたリアコンビランプなど、さらに洗練された印象だ。レヴォーグのアイコンのひとつであるボンネットのエアインテークは新型でも残された。

エクステリアに対し、インテリアは「ずいぶん変わったな」という印象だ。アイサイトX搭載グレードの「EX」には、タブレットのような大型センターインフォメーションディスプレイを標準装備するほか、12.3インチのフル液晶メーターを採用するなど先進的なコクピットのデジタル化が進められた。「STIスポーツ」ではさらにブラック/ボルドーによる本革インテリアとするなど、素材感にもこだわった、さらなる上質感とスポーティさを兼ね備えた空間演出が施されている。

ワゴンモデルとしての機能性もさらに高められた。カーゴルームは492Lの容量を確保。また新たにフロアボード下部に69Lのサブトランクも用意されたほか、ハンズフリーによるオープンパワーリアゲートなど、快適な機能も加えられた。

とくに走行性能では、この新型レヴォーグに採用された「SGP」と、「フルインナーフレーム構造」による高剛性化、新設計のサスペンションなどにより走りの質感が一新されている。

「STIスポーツ」にはドライブモードセレクトを採用。これはパワーユニットに加え、AWD システムや電子制御ダンパー、パワーステアリング、アイサイトの追従加速度、エアコンといったデバイスを制御することでスポーティな走りから乗り心地を重視した走りまで、クルマのキャラクターを変えることができるもので、「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」と好みの特性に設定できる「インディビディアル」の5モードがスイッチ操作で簡単に切り替えられる。「GT」「GT-H」には2モード(I/S)のSI-DRIVEが装備される。

画像: 北米市場に向けてレガシィが大型化したため、先代レヴォーグは日本の環境でも扱いやすいサイズであることを重視していたが、先代ではそれに少しの余裕を加えている。

北米市場に向けてレガシィが大型化したため、先代レヴォーグは日本の環境でも扱いやすいサイズであることを重視していたが、先代ではそれに少しの余裕を加えている。

最後になったが、広角化した新開発ステレオカメラや前後4つのレーダーを組み合わせ360度のセンシングを実現した新型レヴォーグのADASは、このクルマを語る上で欠かすことのできないポイントだ。

プリクラッシュブレーキや全車速追随機能付きクルーズコントロールなど「アイサイト」のコアテクノロジーに加え、進化した「アイサイトX」では「渋滞時ハンズオフアシスト/渋滞時発信アシスト/アクティブレーンチェンジアシスト/カーブ前速度制御/料金所前速度制御/ドライバー異常時対応システム」といった高度な運転支援機能が追加された。

またさらに、24時間365日コールセンターとつながるコネクティッドサービス「SUBARU STARLINK」(基本機能は無料)も採用されている。

価格は310万2000円(GT)から409万2000円(STIスポーツ EX)の6グレード。ちなみに消費税10%導入後の先代の価格は294万8000円(1.6 GTアイサイト)から415万8000円(2.0STIスポーツ アイサイト)だった。価格面においても新型レヴォーグは、かなり魅力的なプライスタグが付けられているようだ。(文:丸山佳彦)

新型スバル レヴォーグ STIスポーツEX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:水平対向4DOHCターボ
●排気量:1795cc
●最高出力:177ps/5200-5600pm
●最大トルク:300Nm/1600-3600pm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●サスペンション:ストラット/ダブルウイッシュボーン
●タイヤサイズ:225/45R18

先代スバル レヴォーグ 1.6 STI スポーツ アイサイト  主要諸元

●全長×全幅×全高:4690×1780×1490mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1570kg
●エンジン:水平対向4DOHCターボ
●排気量:1599cc
●最高出力:170ps/4800-5600pm
●最大トルク:250Nm/1800-4800pm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:4WD
●サスペンション:ストラット/ダブルウイッシュボーン
●タイヤサイズ:225/45R18

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