ちょっと意外な組み合わせは、オーナーも驚くほどの進化をルックス&走りにもたらした。
こだわりの製法と強い個性。注目を浴びるには理由あり。
製造段階からこだわりの逸品としての高いブランド力を誇るとともに、デザイン性でもBBSホイールは注目を集めるようです。
すべてのラインアップで共通しているという、独自のクロススポークデザインは、外側に向かうほど枝分かれしながら細くなるアレンジが魅力。それは、「力学を突き詰めたフォルム」なんだとか。まさに究極の機能美と言えます。
そんな力強さは、思った以上にSUVにぴったり似合っていました。U字とV字を絶妙に組み合わせた複雑な表情は、MINIのオシャレ感をグレードアップしてくれるように思えます。
色は絶対、マットグレイかダイヤモンドブラック。MINIはホイールアーチ部分が黒く、深みのある色の方が絶対足元が引き締まると思ったんですよね。おかげで、なかなか惚れ惚れするスタイリングに仕上がっています。
鍛造ホイールの「軽さ」を実体験。路面との対話がもっと「密」に
さて、見た目はバッチリ決まったところで、気になる乗り味ですが、軽く一般道を流してみただけで、なるほど! 鍛造ってこういう味わいなんだ……ということがしっかり伝わってきました。
鍛造と聞いて、私の頭の中に浮かぶのは、やはり日本刀だったりするわけですが、あんなに細く薄く長いのに、骨を断ち切るほど固く、しかししなやかで折れない、まさにコレなんですよね。
走り始めての第一印象は、バネ下がずいぶん軽くなったなぁ、ということ。タイヤ、ホイールの動きに軽快感が生まれ、ハンドリングがシャープになったように感じられます。コーナリングでは、さらに強く荷重をかけていった時のしなやかさが独特。柔らかめに粘るんだけれども、だらしなくブレることはありません。それは、実に不思議な感覚でした。
そのフィーリングは、路面とより密接に対話できる感じ、と言ってもいいかもしれません。そんな奥深さは、スポーツカーでもSUVでも変わりなく走りに求められる魅力のポイントですよね。
まさに大人が選ぶべき、本物の「靴」。どう? 似合うでしょ?(文:竹岡 圭/写真:永元秀和)