毎年年初に開催されてきた世界の電化製品の見本市「CES」が、2021年はコロナ禍によりオンラインで開催された。CESではここ十年、自動車の電動化技術の出品も相次ぐ。中でも注目したいのはドイツビッグ3の動向だ。今回はメルセデス・ベンツの出品物をご紹介しよう。
次期型MBUXはEVの新型EQS、高級セダンに搭載予定
メルセデス・ベンツがCES2021に出品したのは、次世代のヒューマンインターフェイスの次期型MBUXハイパースクリーンだ。3枚の大型液晶をインパネに配置し、PCのマルチスクリーンのように表示領域を拡大したものだ。横幅141cmというから、フロント2座の前に液晶画面が鎮座することになる。この巨大液晶スクリーンを備えた次期型MBUXハイパースクリーンは、新しくリリースされる新型EVのEQS高級セダンに搭載予定だ。
次期型MBUXハイパースクリーンはドライバーとのインターフェースとして機能するだけでなく、従来の車両制御用コンピューター・ECUの役割も果たす。EQS高級セダンの随所に設置されたモーター、ブレーキ、サスペンションなどのパーツ類は次期型MBUXハイパースクリーンをハブとして相互にネットワークし、EQS高級セダンの車両統合制御を行う。
次期型MBUXハイパースクリーンの演算を行うCPUは8コア、メモリは24GB、メモリデータバンドが46.4GB/秒だ。このCPUコア数とメモリデータバンドは、第8世代のIntel Core i7に相当する。メモリ形状や種類、メモリチャンネル数が不明なので、MBUXハイパースクリーンの反応速度に直結するCPUのクロック数を逆算することはできないが、その役割を考えると低くはなさそうだ。