カスタマーへの供給は2021年シーズン終了後か
アウディ RS 3 LMSは、ハイパフォーマンスセダンであるRS 3 セダンベースのTCRレーシングカー。世界各国で開催されているTCRレース用に開発されたモデルで、初代第1世代のRS 3 LMSは180台が生産されてアウディ スポーツ から世界中のカスタマーの手にわたり、わずか4年間で1051のレースに参戦して279回の優勝を含む764回の表彰台を獲得、2018年のTCRモデル オブ ザ イヤーを含め、16のドライバーズタイトルと38のチャンピオンシップに輝いている。日本でも2020年に篠原拓朗がドライバーズタイトル、Audi Team Hitotsuyamaがチームタイトルを獲得した。
今回発表された第2世代のRS 3 LMSは、340ps以上を発揮する新世代の2Lターボエンジンを搭載するほか、トランスミッションの軽量化、エアロダイナミクスの最適化など、大幅な進化を遂げたという。また、プロドライバーだけでなくジェントルマンドライバーも参戦するTCRレースという特徴もふまえ、ドライブのしやすさ、セッティングの容易さ、安全性にも配慮した設計としている。
まだ車両価格などは発表されていないが、規定で13万6500ユーロ(日本円で約1730万円)以下と決められており、2021年末にはカスタマーに供給される予定だ。
新型RS 3 LMSは、べースとなる市販モデルのRS 3導入前にデビューという異例なものになったが、これもカスタマーレーシングに対するアウディの取り組みを明確に示すものと言える。
アウディカスタマレーシングの責任者クリス ラインケは「最新モデルを開発するにあたり、カスタマーに焦点を合わせた目標を設定しました。私たちは、ラップタイム、セットアップオプション、安全性、人間工学など、あらゆる面において、先代より優れたモデルをカスタマーチームに提供したいと考えています」 とコメントしている。
アウディRS 3 LMS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4650×1950×1250mm
●ホイールベース:2665mm
●エンジン:直4 DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:250kW以上(340ps以上)/6250rpm
●最大トルク:420Nm以上/2500rpm
●トランスミッション:6速シーケンシャル
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:100L