「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 マーチ(4代目)だ。

日産 マーチ(2010年:4代目)

画像: 写真では分かりにくいが、ルーフのプレスラインはこもり音を低減するだけでなく、軽量化にも貢献している。

写真では分かりにくいが、ルーフのプレスラインはこもり音を低減するだけでなく、軽量化にも貢献している。

日本の国民的アイドル コンパクトとも言えるマーチが、デビュー28年目にしてタイで生産される正真正銘のグローバルカーとして4代目へとフルモデルチェンジされた。新開発の直列3気筒エンジンのHR12DEに、副変速機付きエクストロニックCVT、そしてアイドリングストップシステムも採用。その努力の結果、ガソリン車トップの26.0km/Lという低燃費を達成した。

試乗車は、インテリジェントキーやフルオートエアコン、カーテンエアバッグまで標準装備した「12G」という上級グレードだ。まずはプッシュボタンでエンジンをスタート。3気筒にもかかわらず、アイドリングは想像よりもはるかに静かで落ち着いている。室内のこもり音も、それほど気にならない。

走り出して、高速道路の本線に合流するために加速していくと、ノイズは少し高まっていくものの、グイグイと前へ引っ張っていく加速感は、なかなか頼もしいもの。合流してから流れに乗って走るのも、すごく自然でラク。上り坂での失速感は最小限で、しっかりと加減速に適応したトルクが引き出されている。これは、2段の副変速機を追加することで、ギアレシオは7速ATを凌ぐワイドなギア比を実現した、新型エクストロニックCVTがかなり効いているようだ。

さらに感心したのは、コーナリングでのしなやかさと、しっかり手応えのあるステアフィールだ。今回、マーチには新開発のVプラットフォームが採用されて、ボディ質量にして約20kgの軽量化を図りつつ、剛性は10%アップしているという。フロントサスペンションも新開発で、ストローク量は先代より15%向上している。

This article is a sponsored article by
''.