「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2010年に一部改良された2代目のMINIだ。

エンジンの変更で、MINI本来の魅力がさらに高まった

画像: MINI ワンのエンジンは従来の1.4Lから1.6Lに変更。最高出力は95psから98psに、最大トルクは140Nmから153Nmにアップした。

MINI ワンのエンジンは従来の1.4Lから1.6Lに変更。最高出力は95psから98psに、最大トルクは140Nmから153Nmにアップした。

続いて試乗したのは、MINI クラブマン クーパーSの6速ATモデルだ。こちらのパワーユニットは、従来型の直噴ツインスクロールターボに加えて、BMWが得意とするバルブトロニック技術も併用している。その結果、最高出力は9ps向上した184psにパワーアップ。さらに10・15モード燃費は6速MTで19.2km/L、6速ATでも15.6km/Lと優れた数値を誇り、クラブマン クーパーSはMT/ATモデルとも50%のエコカー減税対象車となっている。

3000rpm手前くらいからターボによるトルクが盛り上がり、MINIとしてはホッテスト バージョンらしい、走りの官能性が味わえる。しかも、それを犠牲にすることなく30%近くの燃費改善が達成されたことについては、さすがはBMWグループ!と感心するばかり。もう、スゴいとしか表現のしようがない。

今回は内外装の意匠に関しては変更がないため、一部改良の内容は地味な話題に映りがちだが、最大で約33%もの燃費改善を達成したのは、じつは革命的な出来事だ。MINIらしさ、ミニマリズムがいかんなく発揮された一部改良といえるだろう。

画像: AT仕様とはいえ、3000rpmからの爆発的な加速に変わりはないクーパーS クラブマンは、ワゴンとは思えない走りっぷりを見せる。

AT仕様とはいえ、3000rpmからの爆発的な加速に変わりはないクーパーS クラブマンは、ワゴンとは思えない走りっぷりを見せる。

■MINI ワン 主要諸元

●全長×全幅×全高:3700×1685×1430mm
●ホイールベース:2465mm
●車両重量:1130kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1598cc
●最高出力:72kW<98ps>/6000rpm
●最大トルク:153Nm<15.6kgm>/3000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:20.5km/L
●タイヤ:175/65R15
●当時の価格(税込み):217万円

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