ドイツとフランスを代表するDセグメントステーションワゴンである優等生のアウディA4アバントとプジョーのフラッグシップ 508SW。今回はディーゼルモデル同士でその存在価値を検証してみた。

硬質な走り味のA4アバント、ゆったりした動きの508SW

乗り味も両車、やはりずいぶんキャラクターが異なっている。A4アバントは、やはりと言おうか全般に硬質な印象が強い。ボディがカッチリとしていて、全体に精緻な味わい。イメージどおりにドイツ車的、アウディ的と言える。とは言え乗り心地自体は硬いわけではない。

試乗車はダンピングコントロールスポーツサスペンション付きということもあり、とくにコンフォートに設定すれば、コシは強いがしなやかな乗り心地を味わえた。アウディらしさも、着実に進化しているのだ。

それに対して発進した瞬間から独自の世界に引き込むのが508SWである。ゆったりとしたサスペンションの動きは、まさに癒やし。シートも見た目ではゴツいのかなと思ったが、表面のクッションがすごく効いていて、まさに包み込まれるような乗り心地を実現している。

鋭い突き上げに対してはゴツッという感触を伝えがちだが、基本的にはふんわりとした乗り心地だ。それゆえかワインディングロードでは車体の上下動が大き過ぎるとも感じられたが、スポーツモードに切り替えるとぴたりと落ち着いた。ちゃんとセットアップは出してあって、それをどう引き出すのかはドライバーに委ねられているのだ。

A4アバントと、508SW。同じようなカテゴリーに入り、同じような寸法、エンジンでありながら、ここまであからさまに違ったキャラクターを持っていたということに今回は改めて驚かされたし嬉しくなった。とてもじゃないが優劣をつけるなんて無理。これまでのクルマ遍歴、求めるライフスタイルとのマッチングなどから、ぜひしっくり来る1台を選んでほしいと思うし、この文章が多少なりともその参考になればとも思う。

クロスオーバーSUV以外のクルマを選ぶのには明確な理由が要ると、冒頭に大胆なことを書いた。まさに今回の2台のような強い個性を放つクルマには、あえて今この時代に選ぶ意味、乗る意味がある。きっとみなさんにも共感していただけるはずだ。(文:島下泰久/写真:小平 寛)

画像: それぞれが持つ独自の感性の良し悪しは、好き嫌いでしか判断できない。(左:A4アバント/508SW)

それぞれが持つ独自の感性の良し悪しは、好き嫌いでしか判断できない。(左:A4アバント/508SW)

アウディ A4アバント 40TDIクワトロ Sライン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4770×1845×1435mm
●ホイールベース:2825mm
●車両重量:1660kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:140kW(190ps)/3800-4200rpm
●最大トルク:400Nm/1750-3000rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・58L
●WLTCモード燃費:14.6km/L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):641万円

プジョー 508SW GTブルーHDi 主要諸元

●全長×全幅×全高:4790×1860×1420mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1630kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1997cc
●最高出力:130kW(177ps)/3750rpm
●最大トルク:400Nm/2000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:軽油・55L
●WLTCモード燃費:16.9km/L
●タイヤサイズ:235/45R18
●車両価格(税込):534万4000円

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