元号が平成から令和に変わって、早くも2年。大型連休のスペシャル企画として、Webモーターマガジンで以前に連載した「平成スポーツカー図鑑」から、人気のあったモデルTop10をカウントダウン方式で紹介しよう。栄光の?第1位は、日産 マーチ スーパーターボだ。

※このランキングはWebモーターマガジンのPVを、Googleアナリティクスで集計した数値を元にしています。

ラリーで勝つために生まれた日本初のダブルチャージドエンジン搭載車だった

画像: ユニークなデザインのフロントグリルにビルトインされた丸型2灯のフォグランプなど、顔つきはマーチRとは少し異なる。

ユニークなデザインのフロントグリルにビルトインされた丸型2灯のフォグランプなど、顔つきはマーチRとは少し異なる。

日産マーチの初代(K10型)は、1982年の登場以来ほとんど形を変えずに10年間製造された長寿車として知られている。その間、日産はマーチでワンメイクレースを主催するなど、モータースポーツの普及に力を入れてきた。そうした競技車ベースの頂点に君臨したのが、日本初のツインチャージドエンジン搭載車「マーチR」で、それを市販化したのが、ここで紹介するスーパーターボだ。

マーチRは1988年に登場した競技用車両で、2mmのボアダウンで排気量を930ccとし、低回転域をスーパーチャージャー、高回転域をターボチャージャーで過給することで、全域での高トルクを狙ったスペシャルエンジンを搭載して話題を呼んだ。排気量ダウンは1988年にFIAの競技規則変更でターボ係数が1.7になったため、1.6L以下クラスで戦うために必要な措置だった。

マーチ スーパーターボは、保安部品を装備したマーチRのようなクルマだから、パワー/ウエイト レシオは7kg/psという身軽さを生かした走りは強烈そのもの。ただ機械部品がエンジン周辺に集中するためフロントヘビーは避けがたく、コーナリングではアンダーステアを力でねじ伏せるテクニックが要求された。

それでも、1989年にマーチRがWRCのアクロポリス ラリーでデビューウイン(クラス優勝)するなど、華々しい活躍を見せたことを受け、マーチ スーパーターボはコアなファンを獲得していった。

画像: 1988年に登場した「マーチR」。1989年のサファリやアクロポリスなどのWRCでクラス優勝したほか、同年の全日本ラリーではBクラスでシリーズ優勝も果たした。

1988年に登場した「マーチR」。1989年のサファリやアクロポリスなどのWRCでクラス優勝したほか、同年の全日本ラリーではBクラスでシリーズ優勝も果たした。

■日産 マーチ スーパーターボ(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:3735×1590×1395mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:770kg
●エンジン型式・種類:MA09ERT型・直4 SOHCターボ+スーパーチャージャー
●排気量:930cc
●最高出力:110ps/6400rpm
●最大トルク:13.3kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/65R13
●当時の車両価格(税込):115万3000円

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