「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2010年に追加された日産 ジューク 16GT FOURだ。

ドッシリした安定感と自在に操る愉しさを両立

画像: 1.6Lの直噴ターボは最高出力190psと最大トルク24.5kgmを発生。エクストロニックCVTとの相性も良い。

1.6Lの直噴ターボは最高出力190psと最大トルク24.5kgmを発生。エクストロニックCVTとの相性も良い。

そんな謙虚なルックスに対して、走りの方はまったくの別モノとなった。低回転から立ち上がる力強いトルク感は、1.5Lモデルとは比べものにならないほど、あらゆるシーンでキビキビとした走りを楽しませてくれる。1.5Lでは高速でストレスを感じることもあったが、こちらは余裕で流れをリードすることもできる。

ターボ+4WDで車両重量は210kgも増えているのだが、そのデメリットを感じることはほとんどない。それよりも、ドッシリとした直進安定性や絶妙にラインをトレースしてくれるフットワーク、そして4WDシステムの絶妙な制御ぶりに驚いた。

スポーティに引き締められた足まわりは、路面をつかんで離さない安心感があふれている。さらにスロットルを踏みながらコーナリングすれば、電子制御カップリングがクルマをグイグイと曲げてくれる感覚がはっきり伝わってくる。その効果は交差点で曲がる時にも感じられ、ステアリングを操るのが楽しい。スタイルはSUVだけれど、ワインディングロードに持ち込んでも十分に楽しめるだろう。

16GT FOURこそが、ジュークの本命と思わせる完成度だった。これまでにないジュークの価値は、このグレードの登場でさらに注目を浴びるだろう。独特のルックスはもちろんのこと、走りの面でも新たな体験ができそうだから、ジュークのファンは、さらに増えることは間違いないようだ。

画像: 1.5Lとの価格差は60万円以上(FFならば40万円)あるが、この1.6Lターボエンジンにはそれだけの価値はありそうだ。

1.5Lとの価格差は60万円以上(FFならば40万円)あるが、この1.6Lターボエンジンにはそれだけの価値はありそうだ。

■日産 ジューク 16GT FOUR 主要諸元

●全長×全幅×全高:4135×1765×1570mm
●ホイールベース:2530mm
●車両重量:1290kg
●エンジン種類:直4 DOHCターボ
●排気量:1618cc
●最高出力:140kW<190ps>/5600rpm
●最大トルク:240Nm<24.5kgm>/2000-5200rpm
●トランスミッション:エクストロニックCVT(6速マニュアルモード付き)
●駆動方式:フロント横置き4WD
●10・15モード燃費:14.0km/L
●タイヤ:215/55R17
●当時の車両価格(税込):245万1750円

This article is a sponsored article by
''.