2ストップ作戦ズバリ、ハミルトンが逆転で3勝目
抜きどころが少なく、ペース的にラップ2秒以上のペース差がないとオーバーテイクが難しいカタルニアサーキット。スタートで首位に立ったのは2番手グリッドからスタートしたフェルスタペッンだった。
しかし、ポールシッターのハミルトンもピタリと背後につけ大逃げを許さない。勝負どころのミディアムタイヤへの交換で先に動いたのは首位のフェルスタッペン。4周後にピットインしたハミルトンの逆転を許さず主導権をキープする。ハミルトンは猛烈な追い上げですぐにフェルスタッペンとの差を削り取ったが、抜くまでには至らない。
ここで抜群の判断をしたのがメルセデス陣営だった。43周目に意表をつく2回目のピットインで新品のミディアムタイヤに交換。これでフェルスタッペンとの差は22秒に開いたが、そこから1周につき1.5秒以上も速いペースで追い上げたハミルトンが60周目にフェルスタッペンをかわし大逆転、前週に続く連勝を挙げた。
フィニッシュ後のハミルトンは「タイヤが厳しいことがわかってたから、週末が始まる前にレースに2セットのミディアムを残すことを決めていた。素晴らしい戦略をとってくれたチームに感謝したい」と会心の笑みを見せた。
惜敗フェルスタッペン、「メルセデスを引き離すだけの速さがなかった」
ハミルトンに抜かれた後のフェルスタペッンは、2回目のピットインでソフトタイヤに履き替えて2位+ファステストラップを獲得するのが精一杯。ゴール後は「相手が2回目のピットストップに入った時、やられた、と思った。そのあとはもうできることはなかったね。問題は戦略じゃなく、メルセデスを引き離すだけの速さがなかったこと。とにかくクルマが遅かったんだ」と悔しさをあらわにした。
他のホンダのパワーユニット搭載車は、レッドブルのセルジオ・ペレスが予選での遅れを少し取り戻して5位。スターティンググリッドの停止位置違反で5秒のペナルティを受けたトロロッソのピエール・ガスリーも10位入賞したが、日本期待の角田裕毅は燃圧低下でレース序盤にリタイアした。
次戦第5戦モナコGPは5月20日木曜日に開幕、23日日曜日、モンテカルロの市街地サーキットで決勝レースが開催される。
2021年F1第4戦スペインGP決勝 結果
1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)66周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+15.841s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+26.610s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+54.616s
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+63.671s
6位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+73.768s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+74.670s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1周
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+1周
10位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+1周
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リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 L.ハミルトン(メルセデス) 94
2位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 80
3位 V.ボッタス(メルセデス) 47
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 41
5位 C.ルクレール(フェラーリ) 40
6位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)32
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10位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)8
13位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ) 2
2021年コンストラクターズランキング(第4戦終了時)
1位 メルセデス 141
2位 レッドブル・ホンダ 112
3位 マクラーレン・メルセデス 65
4位 フェラーリ 60
5位 アルピーヌ・ルノー 15
6位 アルファタウリ・ホンダ 10